タッタッタッ…
タッタッタッ…

教室を出て、廊下を抜け階段に腰を降ろしてとりあえず一息つき。

「ふぅ、潰れて無いよな？」

悠は紙袋の中を覗く。

「ん、大丈夫そうだな。」
「悠先輩？何してるんですか？」

「ん？おお、みなみ。」

声を掛けてきたのは、緑髪で長身の岩崎みなみ。

「一時避難中だ。」

「避難…ですか？」

「ああ、避難だ。そだ、ちょうどそっちのクラス行く所だったから着いてっていいか？」

「え？あ、はい。」

「ありがと」

悠は立ち上がりみなみの後に着いていく。

-1年教室-

ワイワイ…ガヤガヤ…

「今日は朝からにぎわってるっすね。」

「バレンタインだもんね。」

「…そうデスネ。」

「いいっすよね～、ネタがザクザクッすよ。」

「ふぅ…。」

「ﾊﾟﾃｨちゃん？何か今日元気ないよ？」

ゆたかは小さくため息を吐くﾊﾟﾃｨに話しかける。

「そう言えばそうっすね。どうかしたっすか？」

「そんなこと無いデスよ。」

ﾊﾟﾃｨは左右にブンブンと手を振る

「あ、わかったっすよ～、さては悠センパイが…」

「俺がどうかしたか？」

にこにこと笑いながら悠はニュッと顔を出す。

「わ！！悠センパイ？！な、何でいるんすか！」

「何でって…まぁ…そりゃ……これを…な。」

悠は紙袋を持ち上げ…

「もしかして…ﾊﾟﾃｨにっすか？」

「……あぁ、そうだよ。頼まれたからな。」

ﾊﾟﾃｨの前に置くと教室からは「おぉ～」や「きゃ～」等の声が聞こえる。

「Thanks! 悠♪」

「良いよ……じ～～」

「なんデスか？」

「……ﾊﾟﾃｨ」

「わっ//？！」

悠はﾊﾟﾃｨに顔を近づける。

「……ちょっとすまん。」
コッ…
スッ……

「…///」

悠はﾊﾟﾃｨのおでこにおでこを当て、首の裏を手でそっと触れる…

「…37,1℃って所か…微熱があるな。帰れとは言わないが無理はするなよ。じゃ。」

悠は教室の時を止め、ﾊﾟﾃｨから離れ、帰って行く。