「見ての通りだ…」

「む～」

海は炬燵から頭だけを出してなにか唸っている。

「海ちゃん、また遅くまで起きてたの？」

「オールでCGｺﾝﾌﾟしたんや…せやから…寝る…」

ゴソゴソと炬燵の中に潜り消えていく…

「…ふぅ、星凪、翡翠もうこいつはほっとこう。」

「え？」

「寝るって言ってるし、いいだろ、三人で出掛けよう。」

「ちょ！ちょいまち！何処かいくん？」

再び頭だけを出してよく見ると、悠は裏地がちりめんの和風パーカーに黒いズボン、星凪は白くてふわふわしたニットのワンピースに白のハイソックス、翡翠は黒の長袖ブラウスに赤いネクタイでグリーンのスカートに黒のﾆｰｿｯｸｽと出掛ける準備万端な姿だ。

「なに言ってる、前から今日は映画行きたいって騒いでたろ…まぁ海は行かないみたいだから、買い物と…」

「行く！行くて！」

「その格好でか？」

「～～すぐ着替えるから待っててや！絶対やで！！」
「へいへい、広間に居るから準備出来たら来い」

悠達はやれやれと部屋から出ていく。

… … …

まぁ海が準備するまで時間があるから、ここで少し、こうなっている経緯の説明に入る。
X'masも予定無く、家で鍛練をしていたが流石に一人で過ごすのもどうかと思い親父と飯でも食おうかと会社に向かい。

-社長室-

「…カナダ？…いつから？」

「１週間ほど前からです、お帰りは来年になる予定です。」

少しウェーブがかった黒髪の秘書さんが親父の予定表らしきファイルを開き説明する。

「マジか…っか、あのオッサンX'masも仕事かよ…」

「日本に居られる方が少ないですから、ところで悠様、社長に何かご用時でも？」

「あ～いや、暇だからたまには飯でもどうかと来たが……まぁいいや、柳は居るか？」

「柳様なら研究室かと」

「どうも…あ、そだ。」

「？何か？」

「俺に様はいらないから。」

それだけ、言うと悠は社長室から出ていく…