「思った以上に広いな」

薔薇、カーネーション、菊…歩く度に花の種類が豊富に増えていく…

「ゆう先輩、あっち行って見ませんか？」

ゆたかが指さした方を見ると温室と書かれた看板が有る

「温室？行ってみるか…」

-温室-

「温いっか暑い位だな…」

「ですね～」

温室に入ると少し汗が出てきた。

「あ、サボテンがいっぱいありますよ。」

小鉢、中鉢、大鉢とサボテンが植えられていて小さいものは4,5㎝、大きい物は悠の身長位の物もある。

「わぁ～大きい、私より大きいですよ。」

「ああ、っか俺よりでかい奴もあるな。」

「あれ？ゆう先輩あれなんですか？」

ゆたかは大きなサボテンから生っている紅い派手なまつぼっくりの様な物を指差す。

「お、あれはサボテンの実だよ。」

「サボテンて実がなるんですか！」

「ああ、ドラゴンフルーツって言って結構美味いぞ。」

悠が話していると…

「良く知ってますね。」

「え？」「おう？」

ふと声が聞こえ、振り向くと…

「脅かしてすいません、ここの従業員です。」

ペコッと作業着姿の人が居て

「サボテンの事良くご存じですね。」

「まぁ、珍しい食材は一度は口にしますから。」

「ふぅ…」

立ち話をしているとゆたかが小さく揺れる…

「ゆたか？」

「おや、お連れのかたは逆上せられたみたいですね。」

「あちゃ…」

悠はしまったとゆたかの背に片手を回す…

「あ、大丈夫ですよ…」

と言うものの少し顔色が悪い…

「この先に休憩所が御座いますからそこで休まれてはいかがですか？」

「ありがとうございます、そうします。ゆたか歩けるか？」

「はい…」

お礼を伝え悠とゆたかは温室を後にした。