「なぁまゆ腹減らないか？」

「そうだね、今日は時間に余裕が有るから、何処かよって行こうか。」

歩道橋を上がりながら何を食べるか話して居ると…

ｺｯ…ｺｯ…ｺｯ…

「よいしょ、よいしょ…」
楽器のｹｰｽを担いでゆっくり階段を降りようとしている人が居たので悠とまゆは端に寄って居たのだが…

ｶｽｯ…

「ｷｬ！」

「あ！」「え？」

「きゃああぁ！」

女の人は階段を踏み外し楽器ｹｰｽの重量に負けて倒れ落ちた。
ｶﾞｼｬｧｧﾝ！
階段の下で破壊音が広がり…

「……あれ？」

痛みが無い事に女の子は目を開けると…

「…大丈夫か？」

「え？」

悠が片手を掴み女の子は不安定な体勢では有るが落下はまのがれていた。

「あ、ありがとうございます！」

頭を勢い良く振りいきなりお礼を言われ…

「馬鹿！！そんな動くと！」

ｸﾞﾗｧ…
ﾄﾞﾀﾀﾀｽﾞﾃﾝ！ｸﾞｷ…！
ただでさえ不安定な体勢なのに重心がずれ悠は女の子を支えきれず、下まで転げ落ちてしまった…

「悠！君！無事か！」

「何とかな…痛ってぇけど…」

「わ、私は大丈夫です。」

落ちる時悠は咄嗟に女の子を抱き、庇いつつ背中から落下したため女の子はほとんど打撲していなかったが…

「なら早く立ちたまえ…」

「え？あ！////」

丁度胸を悠の顔に押し付ける形で倒れていて女の子は慌て立ち上がり

「いや、まぁゆっくりでもよか…」

「悠！」

まゆはやや不機嫌な声をだしていた。

「本当にありがとうございました…痛」

「ん？どっか怪我したか？」

悠は楽器ｹｰｽを運びつつ女の子に尋ねると…

「ちょっと足が…」

「どれ、そこに座って見せて見てくれるかな？」

「はい…」

女の子は階段に腰を降ろして靴と靴下を脱ぐ

「ちょっと触るよ？」

「はい…痛」

まゆがゆっくり足首を押すと女の子はピクッと震える

「これは捻ってるね…」

「みたいだな…」

足首は赤く腫れだして来ている…

「よし、悠彼女を送るぞ。」

「言うと思った…」

まゆは女の子を背負って、俺は楽器ｹｰｽを持って彼女を送る事になった…