「ふん♪ふん♪」

「ちょ…悠先輩～勘弁して欲しいっす…」

「何が？」

「何が？って…その…本の内容が…」

「BLに…やおいに…百合に…」

悠はパラパラと本を捲って種類別けをする…

「悠先輩～本当に勘弁してください～」

ひよりは悠の腕を引っ張り止めようとするが…

「大丈夫、引かねぇって。」

「そうじゃ無くて～…」

ひよりの悲願も空しく悠は読み始め…

「ほれほれ、気にせず進めろよ。」

「うぐぐ～…(早く終わらさないと…)」

ギュピーン！
ひよりは鬼気迫る勢いで書き進める！

… … …

「なぁ～ひより～」

「何っすか！」

「読んでて思ったんだけどさ～」

「はいー？」

ひよりは熱中しているのか返事がﾊｲﾃﾝｼｮﾝだ。

「男はどうやって書いてるだ？」

「何がっすかー？」

「だから、ナニをだよ。」

「ガハッ！」

ひよりの動きが妙な呻き声と共に止まる…

「な、ナニを聞いてくるんっすか///！」

「いや、少し気になって…」

「そ、そりゃ…本とかネットとかで…ってセクハラっすよ！」

「半分はそのつもりで聞いたからな、はは。」

悠は反省の色無しに笑う。

「まったく、乙女の口から何言わせる気っすか！」

「乙女…？誰が？」

悠は本から目を離さずに聞き返す…

「いいっすよ…いいっすよ…どうせ腐女子っすよ…」

ひよりは口を尖らせてそっぽを向く。

「むくれるなよ～、別に馬鹿にしたんじゃ無いんだから」

「…どうっすかね～」

「おいおい、俺もオタクだぜ？」

「…けど、彼女を作るなら…普通の娘がいいんじゃないっすか？」

「いや…別に俺は趣味までとやかく言わねーぜ？オタクだろうが腐女子だろうが好きな相手なら受け入れるさ。」

悠は嘘をついて居ないの分かる笑顔で答える。

「そうっすか……？」

「って、邪魔しちまったな、少し黙ってるから進めてくれ。」

そう言って悠は少し離れた所のソファに移動する(本は確り持って…)