－男爵－

カラン…カラン…

扉を開けると涼しげな音色が鳴り

「いらっしゃいませ～」

マスターではなく千草がカウンターに居る。

「よっす。」

「なぁんだ悠か…」

「千草二人座れる？」

稲葉が悠の後ろから顔を出すと

「あ、いなっちも居たんだ、座れるわよ、今日はお客少ないから好きな所座って」

「態度がやけに違うな…」
「ふふ、良いじゃないのじゃそこにするわ。」

稲葉は悠を引っ張りボックス席に座る。

「はい、メニューよ。」

千草が水とお絞りとメニューを持って来てくれる。

「マスターは？」

「何か用事で出てるわ…てゆーか悠やけに最近いなっちと居るわね。」

「(またか…)ああ～稲葉と付き合ってるからな～」

「はいはい、良かったわね」

「千草、私はミックスサンド、お願い」

「は～い、悠は？」

「和風ﾊﾝﾊﾞｰｸﾞｾｯﾄで頼む…」

「わかったわ、じゃちょっと待っててね～」

千草はパタパタと移動していく。

「…絶対、あいつ信じてないな…」

「嘘は吐いて無いしいいじゃ無いの。」

「いや、まぁそうだけどな…」

稲葉と付き合いだして確かにまだ日は経ってないが…どう言う訳か誰も信じはしない…

「ってか、真面目に聞かないんだよな…冗談と思われてるのか？」

「あら？悠は私と冗談で付き合ってるの？」

「そんな事ねぇよ。」

「私もそうよ、ならそれで良いじゃない。」

稲葉は至って普通に答、それ以上の事は言わない。

「はい、お待ちどうさま。」

暫くすると千草が料理を運んでくれて食事をしていると


カラン… カラン…

「う～暑い～」

「千草ちゃ～ん、パフェ2つ～」

「いらっしゃい、こなっちにゆきっち」

こなたと小雪が入って来る。

「どうしたの？汗だくね。」

「いや～悠の家に行ったら居なくてさ～」

こなたはカウンターに座りそう話し出す。

「人の家に来るなら連絡くらい入れろよ。」

「「あ！悠(ことり君)に稲葉ちゃん」」

こなたと小雪は振り向き悠と稲葉を見つける。