夏休みのある日…

－悠の部屋－

「んっん～…」

悠は今何時かと思いベッドに転がりながら目を擦る…

「何時…だろ…」

「11時49分昼前よ。」

「そうか…まだそんな時間か………ん？」

悠は聞きなれた声が聞こえたので横を見てみると

「稲葉？」

「おはよう悠、それともおやすみかしら？」

稲葉が横に寝ている…

「…何してんだ…？」

「悠の横にいるわよ？」

「…そか………じゃなくて！」

起きだちのため悠は頭の回転がすこぶる遅い。

「このまま寝る？私はそれでもいいけど？」

「…いや、起きる…」

「あら、残念。」

稲葉は笑顔を向けてベッドから離れる。

「ん～はぁ…」

悠はベッドで横になったまま背伸びをして

「なぁ稲葉、寝てるからってベッドに入り込むのは止めろ。」

やっと思考が働きだし、ソファーに座って居る稲葉に話す。

「安心していいわ、悠のベッドにしか入り込まないから。」

「それは良かった…って、そ、そうじゃなくてな、俺寝るときはシャツとパンツだけだし…」

「ええ、知ってるわ、だから？」

「…何でもない。」

悠は何も言えなくなる。

「ふふ、わかったわ。今度からはやらないわ、普通に起こすから。」

稲葉は小さく笑う。

「え、あ……ああ…」

悠は少し惜しい事をしたか…っと思っていると

「よいしょ。」

「…何してる？」

稲葉は再びベッドの上で横になる

「惜しい事をした…って顔をしてたから。」

「//！！」

「ふふ、顔赤いわよ？」

稲葉は悪戯っぽく笑う。

「あーも、起きる、起きるから勘弁してくれ//」

悠はベッドから起きてすぐに着替える(ズボンを履くだけだが)

「じゃ下で居るわね。」

稲葉は何事も無かったように部屋を後にして下に降りていく…

「ったく…これなら千草やこなたの起こしかたのが精神的に楽だぞ…」

悠も下に降りていく。