「そうそう…」

案の定こなたの数倍理解力が有る…

「おっ？そこ違うな…」

「ここ？」

「ああ、そこはまず乗数をだな…」

「えっと…」

あやのは消しゴムを取ろうと手を伸ばすと

「「あ…」」

ちょうど悠も取ろうとして手が重なり合う…
「わ、悪い」
「ご、ごめ///」

お互い慌てて手を避け合う…

「「…」」

「あ～えっと…柔らかいなあやのの手って…」

「えっ////」

「あ、いや…」

場を和まそうとしたが完全に失敗…

「「…」」

「っも……だね。」

「え？」

「ゆう君はたくましい手だね///」

「そ、そうか？」

逆に言われると恥ずかしさが一気に込み上げて来る…
「…あの…お取り込み中申し訳ありませんが…」

「は、はい？」「な、何か！」

悠とあやのはいきなり声を掛けられて同時に返事をする。

「そろそろ閉める時間なんですけど…」

「はへ？…！」

辺りをみると図書室に残ってるのは俺達だけだ…

「悪りぃ、すぐ出るよ。」
「ごめんね」

「いえ、此方こそお二人の邪魔をしてしまって…」

「「///」」

悠とあやのは顔を赤らめて図書室を後にする。

… …

「っあ…今夕方だろ…何だこの暑さ…」

「日が長くなったよね…」

二人は何とな～く距離を置いて歩いている。

「ん～…帰るか？」

「え…？」

「いや、暑いしやること無いし。」

「…えっと、ゆう君まだ…暇ならもう少し…勉強教えてくれないかな？」
「いいけど…何処でやる？」

「えと…じゃあ…ゆう君のお家は？」

「俺の家か？……わかった行くか。」