「続いてはプリモ・ピアット
最初の一皿という意味があり、パスタやリゾット、スープなどがこれにあたります。このプリモ・ピアットは何種類も用意されることがありボリュームはありますが、料理の主役ではありません。」

今度は氷室が説明している間に料理が運ばれてくる。

「わぁ…おいしそう。」

「仔羊肉ラグーソースミッレリーゲです。イタリア中部・アブルッツォ地方で好まれるラグーソースをパスタと組み合わせました。
ショートパスタのミッレリーゲはリッチなソースと好相性です。お楽しみください。」

説明が終わると皆早速食べ始める。

「う～んおいし～!」

「ほんとにお肉柔らかいね」

「流石悠ね…亮ワインもらえる?」

千草がワインを注文するが

「千草…」

「解ったわよ冗談よ冗談」

千草はしぶしぶワインを諦める。

「お姉ちゃんどう?」

「美味しいわ…凄く。」

お世辞抜きに悠の料理は美味しく次々に食べたくなる。

「では、セコンド・ピアット二皿目の料理という意味があり、いわゆる「メインディッシュ」です。肉や魚を中心とした料理となりますが、意外と料理自体はシンプルなものが多く、煮込みやソテー、揚げ物が中心です。」

卯天が説明し、メインディシュが運ばれてくる。

「骨付き鳥ももの悪魔風グリルです。いつものチキンソテーが、スパイスとハーブの演出でメリハリのきいた大人味になりまた。 」

「あ、悪魔風?」

「それは…」

かがみの疑問にすかさず卯天が説明しようとすると

「悪魔風という名前の由来には、鶏1羽を開いた形がマントを広げた悪魔の姿に似ており、それを悪魔が焼くように、つまり業火で焼かれた罪人のように鶏肉を焼くなどの諸説があるんだ、まっ味はいいから喰ってみてくれ。」

悠が台所から出てきて汗を拭う。