―台所(悠の家)―

「さて、じゃ一応対決、っー名目だが…今日１回作るとするか。」

悠は黒のエプロンをつける。

「ゆうくんの家の台所って広くて使いやすいよね～」

つかさはさっき買った物を並べる。

「バァさんが料理好きだったからな爺が気合入れて台所は広くしたらしい。」

悠は包丁を用意する。

「仲良しだったんだね」

「多分な俺が作るときは手伝いすらしなかったくせにバァさんの時は食器出したりとかしてた位だし…」

悠は卵をつかさに渡す。

「いつまでも仲のいい夫婦っていいよね～」

つかさは憧れるの表情をする。

「つかさも結婚したらいい嫁さんになると思うぞ」

「ええ!お、お嫁さん///」

すると手に持っていた卵をするりと落としてしまい

「おっ!とと…」

悠は左手で落ちていく卵をキャッチして

「ほい」

つかさに卵を渡す。

「あ、ありがとう//」

…　…

「うん…後は塩だな…」

悠はスープの味見をして塩を少し振る

「これで良し…後はトマトを…」

悠が冷蔵庫に向うと

「あれ?ゆうくん、お塩入れてないのかな??」

つかさは側に塩が置いてあったので鍋に塩を更に入れる…

「あ!焦げちゃう!!」

パタパタとフライパンまで戻り

「しまった…トマト買ってなかったな…」

戻ってきた悠は鍋をかき回して

「しゃーない、前菜は別のものにするか…コイツはコンソメスープにでも…」

悠は一口味見をする

「……(あれ…塩入れすぎたかな…?)」

悠は静かに鍋の火を止めた…

…　…

「ゆうくんお味噌汁味見してくれない?」

つかさから味噌汁を差し出されたので

「ああいいぞ…」

一口飲む…

「どう…かな?」

「美味い」

「えへへ、よかった♪」

「けど…何か微かに酸味があるけどこれは?」

「バルサミコ酢だよ♪」

「ぶっ!バ、バルサミコ酢!!」

「えへへ♪」

つかさは笑いながら次の料理の準備を始める…

「……一応中和させとくか…」

決して不味い訳では無いのだが悠は味噌汁に料理酒と味醂でバルサミコ酢の味をこっそり中和した。