「だりぃ…」

悠はテントに入ってお茶を飲む。

「始まってまだ10分も経ってませんよね？」

ふゆき先生はそう言いつつも冷たい麦茶を注いでくれる。

「いや～、もう、最初の選手宣誓で疲れはてまして…」

ガシッ！

「悠～！！何してる～？」

「やぁ！隆良かったらお茶でもどうだ？」

「そうだな、じゃあ…って誤魔化されるか！さっさと来い！」

「ふぁ～い…」

「あらあら、頑張って」

隆は悠を掴んで引き摺って行く…


ー玉入れー

「初っぱなから玉入れかよ」

悠は散らばった玉を拾いストックを溜める。

「悠！言っておくが狙うわ優勝だからな！」
「そうか！頑張れ隆！」

「お前も頑張るんだよ！！」

「嘘ぉ！」

一際目立っていると


「楽しそうだな…悠、隆。」

「今回は敵同士だね。」

亮と哲が笑いながら近くに来る。

「よっす、どうせなら後でフケ無いか亮？」

「いいな！」

「いいわけあるか！」

ﾊﾟｺﾝ！ﾊﾟｺﾝ！

亮との逃亡計画は隆に阻止され叩かれてしまう。

「あ、あはは、二人とも折角の体育祭なんだし楽しもうよ…」

哲は隆を押さえながら二人に話す。

「「楽しむ…か…」」

悠と亮はチラリとお互いを見ていると

「負たクラスが…」

「勝ったクラスの…」

「「言うことを聞くってのはどう？亮(君)悠(ゆう)」」

突然こなたとみさおが割り込んで来る。

「「「はぁ？」」」

俺達は声を揃える。

「それなら悠も亮君もやる気出るんじゃ無い？」

「…なるほど(ﾆﾔﾘ)」

「…おもしろそうだな…」
悠と亮はこなたの提案に目を光らせる

「お！やる気出たか！悠！亮！」

「いや…あれは何か良くない事考えてる目じゃない？」

隆が頷く横でいつの間にかかがみが居てつっこむ…

「ああ…やる気になったよ…」

「楽しまないとな…」

悠と亮は交互に呟いていく

「勿論…」

「互いの妨害は有り」

コン！！

悠と亮は拳と拳を軽く当てて笑う。

「ちょ！おい！」

「おぉ！面白くなってきたね！」

「くぉらぁ！お前ら何時までダベっとるんや！はよ準備せんかい！」

黒井先生の怒鳴りと共に悠達は慌てて辺りに散る。