ー教室(放課後)ー
～ゆたか視点～

「・・・ﾊｧ」

何であんな事を言ってしまったんだろう。

～ほんの数分前～
教室でただ話をしていただけだった。

なのに

「だから・・・ゆたかが・・・」

「みなみちゃん何かもういいよ！」

私は心にも無いことを言ってしまい

「！！・・・」

みなみちゃんは無言で教室を出ていき


「帰ろう・・・」

今に至る訳だ・・・
ケンカの理由などはもう覚えていない・・・その位ささいな事だったのに・・・
私は席を立ち教室を後にする。
扉の外に居る影に気付かずに

「ったく・・・一肌脱ぐか・・・・」


ー帰路ー

「・・・」

普段はみなみちゃんと一緒の帰り道今日は１人・・・
「ﾊｧ」

私がため息をついていると
「元気無いな、ゆたか」

「・・・きゃ」

ゆう先輩の顔が目の前にあり驚いてしまう。

「おいおい、傷つくな・・・悲鳴とは」

ゆう先輩は両手を上げている。

「ご、ごめんなさい」

「いやいや、マジに謝らなくて良いから。それより何か元気ないな、どうかしたか？」

「そんな、別に何でも無いですよ」

私は笑顔作る。

「そうかぁ？」

「そうですよ。それよりゆう先輩は何してるんですか？」

「いやぁさっき犬が居てな」

「犬ですか？」

「ああ、白い大きな犬でな首輪落としてったから探してたんだ」

ゆう先輩は首輪をくるくる回しながら答える。
「あっ！それ！」

私は見覚えのある首輪に視線を向ける。

「お！この首輪の持ち主知ってるのかじゃあこれ頼む俺は向こう探すからゆたかはあっちの空き地見に行ってくれ」

ゆう先輩はそう言うと走って行く。