ｰ夢見長屋近く:廃病院ｰ

血まみれの女『お……』

福太郎「お?」

血まみれの女『おのれ、霊媒師どもぉ!』

クロ「霊媒師じゃねぇよ」

お仙『人間ひとりと妖怪三名』

血まみれの女『嘘をつきなさい!幽霊相手に物理攻撃してくるなんて霊媒師だけよ!』

福太郎「そうなんかな?」

幽香「巫女と魔法使いとメイドと庭師はそうかもね。」

クロ「なんだその人選…」

血まみれの女『恨めしい!くらいなさい!ポルターガイスト攻撃!』

ガタガタ!
ドダダダ!

福太郎「おっ、おお?」

クロ「結構大規模なポルターガイストだな」

お仙『すごい揺れてル』

血まみれの女『ふふっ、あっはははー!』

幽香「うるさい」
パァン!
血まみれの女『キャン!』

福太郎「容赦ないわぁ」

クロ「本当にな……」

血まみれの女『な、なぜ効かない…』

幽香「部屋が揺れてるだけじゃない。普通そこはガラス片を飛ばしてくるとかするでしょ?」

血まみれの女『そ、そんなことしたら危ないじゃない!』

幽香「……」

お仙『確か二』

クロ「言ってることは間違ってないけど……なんか間違ってね?」

幽香「もう消し炭にしていい?」
チャキ

福太郎「まぁまぁ、ちょっと双方落ち着きましょや」

血まみれの女『なによ。霊媒師』

福太郎「霊媒師ちゃいますよ」

血まみれの女『見えてるんでしょ?』

福太郎「見えてますけど、霊媒師やないです。俺はちょっとだけ霊感のある人間。ほかの人らは妖怪」

幽香「花の妖怪よ」

クロ「私は大神、妖怪じゃなくて神だ」

お仙『キョンシー様ダ!』

血まみれの女『……』

福太郎「です」

血まみれの女『嘘をつきなさい!』

福太郎「あらまぁ……」

クロ「なんでだよ」

血まみれの女『妖怪なんているわけないじゃない!』

お仙『幽霊のセリフとは思えないナ』

クロ「確かに」

幽香「……」

福太郎「幽香さん、この幽霊さんに会いたかったんで?」

幽香「まさか……ちょっと妙な気配がしたから来てみただけよ。それがまさかこんなモノとは思わないじゃない」

血まみれの女『こんなものとはなによ!』

福太郎「ほな、帰ろか」

幽香「そうね。」

血まみれの女『え?』

クロ「そうだな」

血まみれの女『えっ?えっ?』

お仙『邪魔したナ!』

血まみれの女『……ちょ、ちょっと待ちなさいよ!!』