第拾夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

悠「あっ」

福太郎「どしたん?」

悠「いや、大したことじゃない。多分追いつく」

クロ「追いつく?」

ドンドン!ドドドン!

クロ「なんかエライノックしてるぞ」

福太郎「はい?」
ガチャ
恋「ド阿呆がおるだろう!」

悠「遅かったな」

恋「いきなり走り出すとは何事じゃボケェ!」

福太郎「走り出したん?」

悠「そうらしい」

恋「らしいじゃない!!」

クロ「なんで走ったんだ」

悠「寒かったから一秒でも早く建物の中に入りたかった」

恋「一声かけい!!」

悠「よーい、ドンって?」

メリー「走り出す気、まんまん」

恋「まったく……」

福太郎「まぁ、お茶でもどうぞ」

恋「すまん。おや、そういえば、今日はあの娘はおらんのか?」

悠「ロマロマサガサガだ」

恋「わかるか!」

悠「これが通じないと小鳥遊家で今後会話が難しくなるぞ」

恋「なるかっ!」

クロ「なる方がおかしい」

悠「ロマロマサガサガ、くとぅるふ…」

福太郎「最後不吉な感じになってQで」

悠「マジか、混沌来ちゃうかな」

福太郎「来るとしても原作版ちゃうかな」

悠「ニャル子がいいです」

福太郎「俺にいわれても」

悠「ですよねー」

恋「はぁぁぁ……」

悠「なにため息ついてる」

恋「疲れてるんじゃ!」

悠「引きこもりがちだからそうなる」

福太郎「引きこもってなくても悠のダッシュに追いつけることはまずないと思う」

悠「そうでもないさ、おれも別に走る用の筋肉の着け方はしてないし。バロンとかが本気で逃げたらどうしようもできないと思う」

恋「あのデカ犬に本気で走られたら怖すぎじゃろ」

悠「闘犬に勝てる程度には育てたつもりだ」

福太郎「闘犬って犬界ではそうとうやと思うんやけど」

悠「まぁ、おれは心優しい男だから獣同士の戦いなんてさせれないけど」

恋「やかましいわ」

クロ「うっせーよ」

悠「ステレオで怒られた」

福太郎「イケるって」

悠「うん、頑張る!」

恋「何に頑張るつもりじゃ…」

悠「……?」

恋「なんでお前が首をかしげるか!」

悠「この怒りっぽさどう思う?」

福太郎「貴重なツッコミってことで」

悠「福ちゃんは優しいなぁ。こんな小うるさいモドキに」

恋「モドキいうな!」

メリー「小うるさいはいいの?」

恋「良くはない!!」
77/100ページ
スキ