第拾夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

紫「あら、このお酒も美味しいわね。」

福太郎「甘口やけど、イケルでしょ?」

紫「ええ、マスカットを感じさせる甘みがジワっと膨らむわ」

お仙『おおっ、通っぽイ』

紫「これ、銘柄は?」

福太郎「龍の落とし子(純米大吟醸)」

紫「へぇ、私の好きな味だわ」

福太郎「何気に値段も相応です」

クロ「これいくらしたんだ?」

福太郎「28000円」

紫「あら、気を使わせちゃった?」

福太郎「いや、俺が飲みたかっただけです」

紫「そういう正直なところ好きだわ」

福太郎「恐縮です。」

クロ「私は辛口のが好きだな」

お仙『それでもガフガブ飲むクロであっタ』

クロ「そりゃ飲むよ」

メリー「みんなよく飲むよね。」

福太郎「大人ですから」

メリー「でも、最近飲み過ぎじゃない?」

福太郎「んー……気のせいやろ」

すっきー『気のせいじゃないきがするっす』

紫「飲んでも飲まれなければいいのよ」

福太郎「さすがやな。」

お仙『感動しタ!』

クロ「酔ってんのか…」

お仙『痛みに耐えてよく頑張っタ』

クロ「どこの元総理だ」

お仙『ライジングサンを放てる元総理』

福太郎「そっちか」

クロ「わかんねぇ!」

福太郎「国士無双をぶっばする元総理がおるんよ」

紫「麻雀?」

福太郎「紫さんも麻雀できるんで?」

紫「当然よ」

福太郎「……」

紫「え、なぁに?」

福太郎「いや、紫さんって基本ボードゲーム関連無敵ちゃいます?隙間で」

クロ「確かに……いくらでも変え放題だよな」

紫「そんな露骨なイカサマはしないわよ。」

クロ「……バレないようには?」

紫「やるわよ」

福太郎「バレなきゃイカサマちゃいますもんね」

紫「ええ、その通りよ」

お仙『なるほどなァ』

クロ「納得すんな」

紫「え、やる?麻雀」

福太郎「んー、せやったらあと一人ほしいかな」

紫「四人どころか六人いるじゃない」

福太郎「俺とクロはでけるけど、他の娘らはでけんよな?」

メリー「わかんない」

すっきー『ちょっとわかんないっす。そもそも牌にさわれませんし…』

お仙『わからン!』

クロ「いや、オマエ麻雀マンガ読んでるよな?」

お仙『うん、でもルールはあっさりとしか分かってなイ』

クロ「おいおい…」

お仙『国士無双は分かル』

クロ「……」

紫「ルールブックとか持ってないの?」

福太郎「あったような気がするけど……どこやったかなぁ」
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