第拾夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「ふー、冷えるなぁ」

クロ「そうだな。」

お仙『コタツあったけェ!』
ごろごろ

クロ「コタツに潜って転がるな。足に当たる」

福太郎「まぁまぁ」

紫「あ、蜜柑もらっていい?」

福太郎「どうぞ」

紫「ありがとう」

福太郎「……」

クロ「うぉっ?!」

メリー「え!?」

お仙『ウ~?』

紫「いつも通り驚かない人ね。」

福太郎「いや、大分驚いてますって」

紫「私の美貌に?」

福太郎「…は、い」

すっきー『少しラグがあったっすね』

お仙『フクタロウを動揺させるとはさすが大妖怪!』

紫「……微妙にひっかかるわ」

クロ「何しに来たんだよ」

紫「なにって……特に用事はないけど?」

メリー「ゆうかりんは?」

紫「ゆかりんがいるじゃない♪」

メリー「……」

福太郎「あんまりガッカリさせんといてあげてください」

紫「なんでよ!!」

クロ「一文字違いでだいぶ違うからな」

お仙『メリーは幽香さまになついてるからナ』

クロ「お前はしっかりへりくだってるな」

紫「私だってそれなりに凄い妖怪なんだけど」

福太郎「わかってますよ。ただ…」

紫「ただ?」

福太郎「自分で凄い凄いいわんほうがええですよ」

紫「的確なアドバイスありがとう。さて、それじゃあ、飲みましょうか」
ニュッ!

福太郎「いきなりですね。二つの意味で」

お仙『このワレメどうなってるんダ?』

クロ「隙間っていえ」

紫「色んな所に繋がってるわよ」

お仙『ハイドアンドシーク?』

紫「何それ」

福太郎「漫画の技です」

紫「詳しく」

クロ「食い付いた……。」

お仙『4次元マンション(ハイドアンドシーク 手をかざすことによって念空間に通じる穴を作り、その穴から能力者が創ったマンションに人や物を転送させる能力。このマンションは4階建て全21室の念空間で、それぞれの部屋は完全に独立していル。部屋から部屋へ移動することはできなイ。マンションに入ると同時に入口の穴は閉じるため、念空間から出るには部屋に設けられた出口から出る必要がある。通常出口は入ってきた穴と繋がっているが、ノヴが持つマスターキーがあればどの場所の穴とも繋ぐこともできル。』

紫「なるほど、別次元に建物を作って、更に個別の部屋として管理できる能力なのね」

クロ「いや、だからなんでそんな食いついてんの?」

紫「こういうところから新しい発想が生まれるからよ」

メリー「そうなの?」

紫「ええ、間違いないわ」
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