ｰ福太郎の部屋ｰ

悠「あ、福ちゃん。これナニ?」

付喪紙【……】

福太郎「それ?付喪紙」

悠「面白い冗談だ」

恋「いや、妖気を感じるぞ」

付喪紙【バレてしまいました……】

悠「キェェェシャベッタァァァ!」

クロ「うるせぇ!」

悠「これは大事な反応だろ?」

福太郎「正しい反応やけどご近所から苦情来るから」

悠「サーセン」

付喪紙【……】

恋「うちの阿保がすまんの。」

付喪紙【いえ、付喪神の付喪紙です】

悠「……」

福太郎「洒落とるやろ?」

悠「シャレシャレで破りたくなった」

クロ「珍しく気が合ったな」

付喪紙【やめてください!】

悠「それにしても……」

福太郎「どないかした?」

悠「いや、最近は無機物とかがしゃべるのが流行ってるのかな。板とか紙とか……」

福太郎「そうなん?」

悠「いや、深い意味はないんだけどな……。」

お仙『どうせならもっといろんなものが喋ったらいいのニ』

クロ「色んなものってなんだ」

お仙『冷蔵庫とカ』

恋「腐りかけのものが入っとるとか知らせるのか?」

悠「いやぁ、なんでも喋ったらいいものじゃないぞ。ムカついて壊す確率が増えるし」

福太郎「バイオレンス」

悠「ムカつかなくてもひょんなことで壊れることも多いし」

お仙『一番壊したものハ?』

悠「ゲームのコントローラーかな。よくへし折れてた」

クロ「どんな使い方してんだよ」

悠「いたって普通に使ってたはずなんだけどなぁ」

恋「むちゃくちゃじゃな」

悠「そんなに褒めるな」

福太郎「むちゃくちゃ＝ほめ言葉」

恋「ほめとらんわ!」

悠「それでこの紙切れは何ができるんだ?」

付喪紙【付喪紙です】

悠「地味に生意気だ。恋と同じ気配がする」

恋「誰が生意気か!」

福太郎「なんやレベルアップするための試験中らしいで」

悠「紙がレベルアップしたら厚紙にでもなるのか?」

お仙『金色の折り紙かモ』

付喪紙【なりませんよ!】

悠「なんだ……」

恋「なんでガッカリしとる」

福太郎「期待してたんやね」

クロ「期待どころがおかしい」

悠「おかしけりゃ笑え」

クロ「……」
ゲシッ!
悠「蹴られた……だと?」

お仙『業界ではご褒美でス』

クロ「……」
ゲシゲシ
お仙『ありがとうございまス!』

恋「歪んどるのぉ…。」

悠「歪み上等だ!」

福太郎「ガンダムで粛清にきそうやな。」

悠「おれがガンダムだ!」