第拾夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

「すみませーん」
こんこん

福太郎「はいはい」
ガチャ

ゆの「こんにちは」

福太郎「んっ、ゆのさん。どうもー。中どうぞ」

ゆの「お邪魔します。」

クロ「お、アンタか。久しぶりだな。」

ゆの「そうですね。」

メリー「お仕事の話?」

ゆの「はい。それもあります。」

福太郎「それもっていうことは別の話も?」

ゆの「はい、どちらから話しましょうか?」

お仙『せっかくだから私は赤いほうの扉を選ぶゼ』

ゆの「えっと?」

福太郎「別の方の話を先にって事やで」

クロ「わかるか!」

ゆの「ええと、実は最近大規模な召喚があったみたいなんです」

福太郎「大規模な……召喚?」

クロ「召喚ってなんだ?」

ゆの「大規模な悪魔の召喚があったとか」

福太郎「へー」

メリー「へーってそれ大問題じゃないの?」

ゆの「大問題なはずなんですけどね。」

福太郎「でも、悪魔とかって見たこと……ないこともないけど、ないよな?」

ゆの「どっちですか?」

福太郎「ひとり知り合いの悪魔がおったんで……でも、露骨に悪魔らしい悪魔は見たことないですよ」

メリー「悪魔らしい悪魔って?」

お仙『羽が生えてて尖った耳と角と尻尾にくちばし。身の丈サイズのフォーク』

福太郎「それ、アークデーモン」

お仙『開幕イオナズン』

福太郎「アークデーモンに会う頃やったら一発くらいは耐えられる程度に育っとるやろうけど……いややな」

お仙『キラーマジンガとどっちがきつイ』

福太郎「100:0でマジンガ様」

クロ「いいから話聞けよ」

福太郎「おっと、せやった。それで悪魔いうんは?」

ゆの「はい、大量召喚された形跡はあるんですが悪魔の姿は確認されてません」

福太郎「召喚されたのに?」

ゆの「らしいです。私もよくわからないのですが。普通に広域で召喚の魔力を感じられるほどの大規模召喚だったのにも関わらず悪魔は見つかってないそうです」

福太郎「逆にそれ怖いな」

クロ「確かに……」

ゆの「なので一応、気をつけてくださいと連絡が回っています」

福太郎「気を付けるって具体的には?」

ゆの「……さぁ?」

クロ「いろんな意味ですっげぇあいまいだな」

ゆの「すみません…」

福太郎「まぁ、ゆのさんのせいやないし。なんとなく原因っぽいひとの顔が浮かんだんで話聞いときますわ」

ゆの「ほんとですか?!」

福太郎「たぶんですけどね。」

クロ「メフィストだな」

お仙『あのひとしかいねェ』
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