第拾夜『福太郎の不思議な日常』

ー集合墓地:あやかし屋ー

福太郎「ゲフッ」

悠「まだ何も食べてないのにゲップ」

福太郎「昨日の肉が残ってて」

悠「昨日肉だったんだ」

福太郎「焼肉な」

悠「いいな。おれも今日は……」

骨女『焼肉ですか?』

悠「いや、おでん」

絡新婦「今の話の流れでなんでおでんなのよ…」

悠「昨日から煮込んでるんだよ」

福太郎「味染み染みやろ」

悠「超絶しみてるぜぇ。すじ肉もトロトロだぜぇ。トロトロすぎて串から零れ落ちる」

骨女『意味ないですね』

福太郎「まぁでも、ああいうんは雰囲気が大事やし」

悠「そうそう串とかに刺さってる具材ってのがミソ」

福太郎「オデンも美味しい時期やなぁ」

骨女『うちでもおでんやりましょうか』

悠「いいな。ジャガイモと大根たくさんで頼む」

骨女『大根はともかく、ジャガイモは崩れそうですよね』

福太郎「メークインは煮崩れしにくいっポイよ」

悠「でも、やっぱり男爵がいいよな」

福太郎「クイーンより?」

悠「クイーンていうとエイリアンとかアリとかが先に思い浮かぶ」

福太郎「アリだー?」

悠「アリだー!」

絡新婦「うるさいよ!」

悠「七英雄も恐れさせたアリなのに」

福太郎「気つければ雑魚やけどね」

福太郎「多分ノエルさんとかがビビったんだろう」

福太郎「ソードバリアでほぼ封殺さん」

悠「あの人ほど第二形態が不憫な人はいない」

骨女『しかし、おでんをやるとなると機材が要りますね』

福太郎「あー、あの常時煮込み状態のやつな」

悠「ああいうのって結構するんだよな。前に買おうとしたら真桜に投げられた」

福太郎「厳しいな」

悠「厳しいんだよ。」

骨女『ちなみに他どんなものを買おうとして止められました?』

悠「ええと、燻製機とピザ釜」

福太郎「何処に置くつもりやってん?」

悠「まぁ、庭かな。最悪となりの空き家に設置する」

福太郎「空家の住人も苦笑いやろね」

骨女『空家なのに住人が居るんです?』

悠「まぁ、妖怪の一種かな」

福太郎「ノーコメントで」

骨女『はぁ……?』

悠「まぁ、おでんするならやってよ。多分毎回頼むよ」

福太郎「俺もおでん好きやし。持ち帰りもして欲しいんかも」

骨女『ふむ、では検討してみますなんし』

悠「よろしくなんし♪」

絡新婦「キショクワルイ」

悠「あと、お茶と団子二つずつ」

骨女『はーい。』
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