第壱夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

悠「ふーちゃん」

福太郎「ついに「く」まで消えてもうたな」

悠「福ちゃんのがいいか?」

福太郎「せやね。「ふ」だけやったらなんか物足りんし」

悠「じゃあ……福君」

福太郎「そらアカン」

悠「ダメか?」

福太郎「アカンやろー。ごっついアカンと思うわ」

悠「仮面ライダー好き?」

福太郎「好きやな」

悠「じやあ、やっぱり福君で」

福太郎「うん、アカンな。めちゃめちゃ詐欺やん」

悠「ちなみにおれは俄然昭和ライダー派なんですけどね」

福太郎「同意せざるおえまへんなぁ」

悠「その中でもXライダー」

福太郎「ライドルはカッコええね」

悠「けど……一番好きなのは真仮面ライダー」

福太郎「悠さん……分かってはりますやン」

悠「あの決して子供向けではない内容なのがたまらん。ビデオ時代に借りてライダーの必殺技が延髄を引っこ抜きなんて……惚れるよな」

福太郎「アレはフツーにトラウマレベルやもんなぁ。」

悠「アレが序章で終わりなのが酷過ぎる」

福太郎「アレは時代を先取りし過ぎたんよ。せやかて、変身がトラウマやし、全裸でプール、乳首、ミュータントベイビーとかはアカンのやって」

悠「ダメかー。」

福太郎「アカンやろー」

メリー「ご主人様~なんの話ししてるの?」

福太郎「時代を先取りし過ぎた話しや……」

悠「アレぐらい濃いのだからいいと思うのになぁ……」

メリー「ふーん、なんだか大変なのね」

悠「男の世界さ」

メリー「……」

福太郎「男の世界やな」

メリー「ご主人様かっこいい~///」

悠「あれ、今露骨に選別したよな」

福太郎「気のせいやって、なー」

メリー「ねーっ♪」

悠「おれにも愛をください」

メリー「下品だから嫌」

悠「ちょっと扇子借りるぞ」
パタタ……ブァサッ、ブァサッ!!

メリー「きゃー!やぁー!とばされるー!!」

福太郎「はぁー、涼し……悠、もーちょい右」

メリー「ご主人様ー!涼んでないでとーめーてぇー!!」

悠「おーらっ!!これが疾風……はっ?!」
ぴたっ……

福太郎「どないしてん?」

悠「いや、迂闊に疾風とかいうと……鬼が二人襲ってくるかも知れないと……」

福太郎「疾風の鬼?……風神にでも知り合いが居るン?」

悠「福ちゃんの兄弟みたいな名前してる鬼を二人ほどな、疾風迅雷の異名を持つ、疾迅雷太郎と風太郎。」

福太郎「それ、兄弟?」

悠「いや、他人同士だが二人一組の喧嘩屋だ。人間離れしたシンクロ率をもってる」

福太郎「へぇー……あれ、でも苗字おなじやん?」

悠「そう名のってるんだよ。まぁ、なんにしても結構怖い二人組だ」

福太郎「へぇ」

悠「まぁでも、きっと福ちゃんも加われるよ。福「太郎」だし」

福太郎「それはちゃうやろ」

悠「ダメか?」

福太郎「ダメいうか……俺はか弱くて脆弱やからそーいうんは無いなーって」

悠「福ちゃんはもうちょっと前向きになろうね」
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