第拾夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「ただいま」

メリー「お帰りなさい」

幽香「微妙にぬるい天気だったわね。背中は汗でべとべとだわ」

お仙『エロイ』

福太郎「エロいな」

クロ「しばかれるぞ」

福太郎「お口チャックノリスやな」

幽香「ちょっと」

福太郎「堪忍してください」

幽香「まだ何も言ってないんだけど?」

福太郎「失礼。つい」

幽香「その「つい」っていうのがどういう意味かは追求しないで置いてあげるわ」

福太郎「幽香さんの優しさは天井知らずやで」

幽香「そういうのいいから」

福太郎「はい。」

幽香「お風呂借りたいのだけど。」

福太郎「湯張ってないんでその間だけ待ってもらえば……もしくはシャワーだけでええんならすぐ入れますけど」

幽香「湯船につかりたいわね。」

お仙『なら、私シャワー浴びたいから浴びながらお湯張るヨ』

幽香「そうして頂戴」

お仙『はーイ』

福太郎「……」

幽香「あなた、特に反応なしなのね。」

福太郎「ん?そらまぁ、女の子のお風呂っていうんは甘美な響きですけどね。」

クロ「おい」

メリー「ご主人様!」

福太郎「男なんでそこは理解したってください」

幽香「正直なのはいいことね。」

福太郎「どうも」

幽香「好意は持てない内容だけど」

福太郎「ですよねー」

幽香「……アナタってなじられても平気な人だっけ?」

福太郎「豆腐メンタルですけど?」

幽香「そうは見えないけど」

福太郎「いやー、ナイーブ何で優しゅうしたってください。」

幽香「自分でいうところが強かな気がするけど。」

クロ「コイツは怖がりなのに怖いものを見たいタイプなんだよ」

福太郎「基本ビビりなんで」

メリー「そうは思えない言動行動多いけどね。」

幽香「ま、なんでもいいけどね。」

お仙『出たヨー』

福太郎「んっ。」

お仙『湯もほとんど張れてるヨ。』

幽香「なら、入らせてもらうわ」

福太郎「んっ、あ、幽香さん」

幽香「なに?」

福太郎「服洗います?」

幽香「洗ってる間、私が着る服は?」

福太郎「んー……クロのでアカンかな?」

クロ「私は別にいいけど」

幽香「いいわ。妥協してあげる。」

クロ「妥協かよ」

幽香「ふふっ、冗談よ。感謝して借りるわ。」

お仙『私もクロの服を借りるワ』

クロ「テメーは自分の服着てろ!」

お仙『ちェー』
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