第拾夜『福太郎の不思議な日常』

ー池袋:ホームセンターー

幽香「へぇ、ここがホームセンターなのね」

福太郎「農具関係はあっちですけど……」

幽香「あら、あれは何かしら」

福太郎「まぁ、ホームセンター来たら色々見ますわな」

クロ「変なものに興味持たないといいけどな」

福太郎「変なもの……アイスホッケーのマスクとか?」

お仙『あと、鉈だナ』

クロ「どこの13日の金曜日だ」

幽香「ちょっとなに無駄話してるの?蹴るわよ」

福太郎「蹴られる前に行こう」

クロ「普通に蹴る発言だからな…」

お仙『クロになら蹴られてもいいけど、幽香厘に蹴られたらヤバい気がすル』

クロ「私に蹴られていいってなんだ」

お仙『いやン』

クロ「……」
ゲシッ!
お仙『やーン』

福太郎「置いてく行くで」

幽香「へぇ、これなんて便利そうね。」

福太郎「クイックルなワイパー?」

幽香「床掃除ってやっぱり雑巾がけが面倒じゃない」

福太郎「幽香さんも雑巾がけとかしますの?」

幽香「アナタ、私をなんだと思ってるの?」
ひゅっ
福太郎「モップの先を向けられただけで命の危機を感じてしまいましたわ」

幽香「本当に突き立てるわよ?」

クロ「殴るとかじゃなくて突き立てるかよ……」

福太郎「一応弁解させてもらうなら掃除とかは誰かにやらせてる感じがするって意味です」

お仙『それも若干失礼な気がすル』

幽香「そんなことさせる相手は居ないわよ」

福太郎「下僕とかも?」

幽香「だから私をなんだと思ってるの」

福太郎「……あはは」

幽香「……まぁいいわ。これ、買っていこうかしら」

クロ「っていうか、フローリングなのか?」

幽香「フローリング?」

福太郎「床を覆うための木質系の素材……いうても、わかります?」

幽香「よく分からないわね。ただ、床は木製よ?」

福太郎「木製は木製でも素材が違うといいますか……まぁ、それでもいけるっちゃいけるかな」

幽香「なら、買うわ」

クロ「……買うっていっても金は」

福太郎「俺やんね。」

幽香「お礼はするわよ」

お仙『身体デ?』

幽香「なぁに?」
ガシッ!
お仙『クロ、私の頭蓋が割れたら治してくレ』

クロ「嫌だっか無理だろ」

福太郎「お礼はともかく、そのくらいなら驕りますよ。せやから、お仙の頭蓋は堪忍したってください」

幽香「仕方ないわね。」

お仙『また死ぬところだっタ』

クロ「またっていうな、またって……」
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