第拾夜『福太郎の不思議な日常』

ー集合墓地:あやかし屋ー

悠「そういえば義鷹って何でも食うけどさ」

義鷹「なんでもじゃねぇけど」

悠「石とか鉄とかも食えるの?」

義鷹「……」

悠「……」

義鷹「食える。」

福太郎「食べれるんや…」

義鷹「石の妖怪とか鉄の魔神とかもいるからな。別段美味くない」

悠「あー、ゴーレムとか」

義鷹「でも、そういうのを食うのはよっぽどだ。大抵はぶち壊した方が早い」

福太郎「せやろね」

小袖の手「おうどんのお客様~」

義鷹「俺だ」

小袖の手「こちらに置いておきますね」

悠「……この場合」

福太郎「ん?」

悠「あの子って手だけじゃん」

福太郎「せやね。」

悠「その場合、どこを触ってセクハラしたらいいのかな?」

福太郎「……」

悠「……」

福太郎「小袖をろくるでどうやろか?」

悠「それだ!」

義鷹「ずぞぞ……お前らアホだろ」

悠「不思議とよく言われます」

福太郎「たまにいわれます」

絡新婦「滅べ」

悠「生きる!」
ドンッ!

小袖の手「天ぷら定食の方~」

福太郎「はーい」

小袖の手「どうぞー」

悠「おっ来たか」
ググッ
ググッ
絡新婦「ぐぬぬぬっ!」

福太郎「八本足(腕?)を片手で抑え込んどる」

悠「マーズランカーならともかく、ただの蜘蛛娘なら片腕でどうにでもなる。おれはタスマニアクラブのMO手術を受けているしな!」

福太郎「いつから蟹さんに……」

義鷹「冷めるぞ」

悠「ああ、そうだな。いただきます」
ググッ
ググッ
絡新婦「はーなーせー!」

福太郎「まぁ、片手で抑え込めるんなら片手で食べれるんは道理やね。」

義鷹「飯ぐらい普通に食えよ」

悠「そうだぞ。食事の邪魔をするのは良くない」
パッ

絡新婦「はぁはぁ、お前が勝手に抑え込んだんだろ!」

悠「モノを食べる時はね、誰にも邪魔されず 自由でなんというか救われてなきゃあ ダメなんだ 独りで静かで豊かで……」

福太郎「今はひとり飯やないけどね。」

義鷹「なんとかのグルメだっか?」

悠「ぼっちのグルメ」

福太郎「孤高のグルメって18年ぶりに新刊出るらしいで」

悠「マジで買わないと!」

福太郎「買うんや」

悠「買うよ。二つ買ってひとつは自室に、ひとつはトイレに置くよ!」

福太郎「トイレに料理漫画おくんはどないなんやろ」

義鷹「それ以前に便所日本を置くか?」

悠「おれはフィギュアとか置いてるよ」

義鷹「……」
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