第拾夜『福太郎の不思議な日常』

ー集合墓地:あやかし屋ー

福太郎「まいど」

骨女『いらっしゃいませ』

悠「いらっしゃいましたよ」

骨女『いつもお元気そうで』

悠「これからドンドン弱っていくよ!!」

骨女『そうなんし?』

福太郎「うん、寒さに弱いんよ」

悠「冬はバッタより弱くなるよ!」

骨女『大変ですねぇ。まぁ、ジョロちゃんも冬は弱りますけど』

絡新婦「うるさい」

悠「蜘蛛と同じか…」

絡新婦「なんか文句あるのか!」

悠「怒るなよ。こんどカッコいいアシダカ軍曹持ってきてやるから」

絡新婦「持ってこなくていいわ!」

悠「アシダカグモは好みじゃないらしい」

福太郎「マーズランキング9位なのに」

悠「おれはアシモフさんが好き。巨乳だし」

福太郎「アシモフさんてガチムチの蟹おじさんだったような?」

悠「うん、超巨乳じゃん」

骨女『話が見えませんが』

悠「漫画とか読む?」

骨女『いえ、あんまり』

悠「読むならコミック持ってくるが」

骨女『じゃあ、お借りします。』

絡新婦「借りるのか…」

義鷹「……」

骨女『いらっしゃいませ~』

悠「おっ、よっしー」

義鷹「……」
ブンッ!
悠「ひゅい!」

義鷹「おっ、ああ、すまん。無意識だ」

悠「どうしよう。無意識で鵺とかいうチート妖怪に殴られかけた」

義鷹「なんかイラッとした」

絡新婦「よく分かる」

悠「こんなに愛らしいのになぁ?」

福太郎「んー……まぁ、ノーコメントで」

義鷹「蕎麦くれ」

骨女『うどんなら』

義鷹「……ああ、そうか。蕎麦はなかったな。うどんでいい」

悠「じゃあ、おれも」

骨女『うどんですか?』

悠「天ぷら定食で」

絡新婦「なんだこいつ」

福太郎「俺も同じもんで」

骨女『はーい、お待ちを~』

悠「しかし、タイフーンが近づいてきてるな」

福太郎「直撃コースやんな」

義鷹「毎回直撃コースだが大したことないだろ」

悠「おれは大したことあって欲しい」

義鷹「暴風に飲まれたいのか?」

悠「雨と風に吹き荒ぶられされたい」

福太郎「川が氾濫したら近づくないわれても近づくタイプやね」

悠「うん」

絡新婦「いつか取り返しのつかないことになるぞ」

悠「なんのまだまだ」

絡新婦「何がまだまだなんだ……」

福太郎「まぁ、悠やったら平気で泳ぎそうやけどね」

悠「いや、かっぱに襲われそうで怖い」

絡新婦「氾濫寸前の川に河童が居るか!」

悠「河童の川流れ」

福太郎「意味がちゃうぁ」
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