第仇夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

悠「今日は夏になって初の大雨だな」

福太郎「せやね」

クロ「よくこんな天気に出歩いてくるよな」

恋「すまんな…。」

悠「んー、あれ、何か天井の染み増えた?」
ゴロッ

福太郎「そうなんよ」

クロ「いや、私の話は無視か。そして寝てんな!」

恋「さらに、すまん…。」

悠「まぁ、いいじゃないか」

福太郎「ええよ」

悠「家主からの許可は得た」

クロ「……」

悠「五時間くらい寝ていい?」

恋「やめんか!膝が潰れるわ!」

お仙『膝枕いいナー』
チラ

クロ「こっちを見るな」

福太郎「しかし、改めて悠って大きいよな」

悠「股間?」

恋「やめい!」
ベシッ!
悠「痛くない」

クロ「なら、殴るなら顔面だろ」
ゴスッ!
悠「普通に痛い」

福太郎「そっちのサイズやなーて全体の体積。寝転んだら部屋の半分埋まる」

クロ「邪魔だ」
ゲシゲシッ
悠「なんで蹴られてるんだろう?」

福太郎「マッサージ」

悠「いいだろう許可しよう」

クロ「……」
スッ、グシャ!
悠「ぐふぁっ!」

福太郎「タイ式マッサージってなんかあんなんあるよな」

お仙『プロレス技みたいなのナ!』

悠「だからってお腹を思いっきり踏むのはどうなんでしょう。」

クロ「そもそもマッサージじゃねぇ!」

恋「何でもいいが、衝撃が恋にまで伝わってきとるんじゃが」

悠「波紋を伝える!波紋疾走!!」

恋「やかましい」
べしっ!
悠「座敷もどき…が」

恋「なんぞいうたか!」

悠「THE尻童子っていった」

恋「余計悪くなっとるではないか!」

福太郎「THE・尻童子。現代妖怪として語られるかな。」

クロ「むしろ何する妖怪だよ」

福太郎「尻の目とおなじ系統かな」

恋「嫌じゃ!!」

悠「色気を振りまく系は無理なんだから我慢しなさい!」

恋「なんの我慢か!」

お仙『都市伝説枠でどウ?』

悠「尻だすって都市伝説っていうかただの犯罪者だよな」

恋「尻なんぞ出さんわ!!」

悠「……」

恋「そこで黙るな!」

お仙『痴女?』

恋「ぶっ飛ばすぞそこの動く死体!」

お仙『ふふんっ』

クロ「褒められてはねぇからな」

お仙『えッ?』

悠「動く死体ってワードはキョンシーには褒め言葉なのか?」

福太郎「さぁ……。せやったら、クロにケルベロスみたいっていうたら喜ぶかな」

クロ「喜ぶかよ…。百歩譲ってなんで西洋妖怪なんだよ」

悠「首三つあるぞ?」

クロ「いらねぇよ」
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