第仇夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「涼しいなぁ」

お仙『だなァ』

メリー「今日は涼しい風が入って来てるよね」

福太郎「夏の暑さも少しはかげってくるんかなぁ」

クロ「うぉい!!」

福太郎「あら、クロどしてん?大きい声出して」

クロ「今トイレ行ったら変なおっさんが覗きやがってた!」

福太郎「んっ、それ加牟波理入道や。」

お仙『変態親父と大して変わらない妖怪』

クロ「じゃなくて、どうしてうちに現れる!」

福太郎「首姉妹の所からおっぱらったらうちに来たんやろね」

クロ「やろね、じゃねーよ!!」

福太郎「がんばり入道ホトトギスって唱えたらどっかいくみたいやからそれで対処して」

クロ「また向こうに飛んでいって戻ってくる落ちが見える」

福太郎「……」

クロ「……」

福太郎「百均で外から見えん系の網戸かってこよか」

クロ「そうしてくれ。」

お仙『でも、あれは見るのが目的じゃなくて聞くのが目的じゃないカ?』

福太郎「せやね」

クロ「コンクリートで埋め立てろ!!」

福太郎「そんなことでけんて……」

クロ「やれ」

お仙『オッケー!』

福太郎「こらこら」

メリー「それこそラムさんか誰かにお札とかでどうにかしてもらえないの?」

福太郎「んー、できるかな」

クロ「至急呼べ。あんなのが出てきたらおちおちトイレもいけない」

福太郎「クロも女の子なんやね。」

クロ「蹴るぞ」
ゴッ!
福太郎「殴るんとは別口で蹴られる前によぼかな」

お仙『クロ乙女』

クロ「お前は蹴る」
ゲシッ!
お仙『アウチ!』


~~


ラム「で?」

福太郎「加牟波理入道が出るんでどうにかしてください。ラムえもん」

ラム「蹴るわよ」

福太郎「さっきは殴られたんで遠慮したいです」

ラム「はぁ……なんでアンタのところはこぞって妖怪が出るのよ」

福太郎「場所のせいやろか」

お仙『垢舐めも出たんだゼ』

ラム「ちゃんと風呂掃除しないから出るのよ」

福太郎「そうかな」

ラム「他になんか理由があるとでも?」

福太郎「女妖がおおいから出たんちゃうかなって」

お仙『イヤン』

クロ「うるせぇ」

ラム「まぁ……いいわ。加牟波理入道なら、がんばり入道ホトトギスっていえば祓えるわよ」

福太郎「んっ、それ試しました。どっか行きました」

ラム「じゃあ、いいじゃない」

福太郎「いや、多分、別の人のところ行っただけで戻ってくるんよ」

お仙『ここに出る前は首姉妹のところにいたんダ』

ラム「……」

福太郎「んで、とりあえずトイレ周りに近づけんようなお札ないです?」

ラム「何枚か見繕ってあげるわ」

福太郎「おおきにです」
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