第仇夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「ぐぅ…ぐぅ…」

クロ「すぅすぅ…」

お仙『…………』

「…………」
ガチャ……ぴちゃぴちゃ

福太郎「ぐぅ…………」
スッ

クロ「コク……ん?」

お仙『…………ぐぅ』

クロ「起きろ」
ゲシッ!
お仙『おふッ!』

クロ「ったく……」

福太郎「いくで。」
ガチャ…

緑のナニカ「ぴちゃぴちゃ」

福太郎「ちょっと、そこの……」

緑のナニカ「ひぇっ?!」
バッ!

クロ「いや、ひぇっはこっちのセリフだよ。」

お仙『おう、コラ。お前なにだコラ。お前コラ。えっ、おい、コラァ!』

クロ「いや、お前がなんだよ」

緑のナニカ「……」

福太郎「置いてけぼり食らってますが……風呂場で何してたんです?ええと」

垢舐め「す、すいません。自分垢なめでして」

福太郎「んー、垢なめか。」

垢舐め「はい。」

福太郎「そんでうちの風呂場の垢を舐めてたと?」

垢舐め「へへっ」

クロ「あはは。よし、警察に電話して風呂を舐めまわしとる変態を捕まえたって」

お仙『アイアイサー』

垢舐め「勘弁してください!!」

クロ「まあ、垢を主食にしてる妖怪なんだ警察は勘弁してやれよ。警察もこんなの突き出されたらたまらないだろうし」

福太郎「んっ、一理あるな」

垢舐め「ほっ」

福太郎「ただ、俺はともかく、みんなの使った風呂を舐めまわして楽しんどったんよな。そして、今日もその舐めまわされた風呂を使ったんやな」

クロ「殺すか」

お仙『アイアイサー。まずはその舌からひっこぬいてやル!』

垢舐め「まってください!勘弁してください!なんでもしますから!どうかどうか!」
ぺこぺこっ!

福太郎「土下座してしもたね。」

クロ「半分は冗談だったんだが」

お仙『私はガッツリ本気ダ』

福太郎「なんでもするいうてるし……風呂掃除させる?」

クロ「コイツがなめて綺麗にした風呂とわかったら入りたくなくなる。」

お仙『確かに、いい気分ではなイ』

福太郎「ふむ……ほんなら、トイレ掃除させよか」

垢舐め「へ?」

福太郎「トイレ掃除。風呂掃除と同じ要領でええよ」

垢舐め「同じようりょ……うぇぇぇぇえ?!!ちょ、えっ、えぇぇっ!?」

福太郎「なに戸惑とっるん?垢も排泄物も同じやろ?」

垢舐め「老廃物と排泄物じゃぜんぜんちがいますぅぅ!!」

クロ「……」

お仙『さらっと一番怖いのって福太郎だよナ』

クロ「だな…」
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