第仇夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「んー……」

お仙『ンー?』

福太郎「んんー……」

お仙『んーんんっんんンー!』

クロ「お前ら、なに風呂場の前で唸ってる」

福太郎「んっ、クロ……あ、お仙も」

クロ「お仙も……って、真横にいるだろ」

福太郎「気づかんかったわ」

お仙『私は気づいてタ。ふふン。』

クロ「いや、ドヤ顔の意味が分からん」

お仙『意味はなイ』

クロ「……」
ゲシゲシ
お仙『蹴らないで、蹴らないデ』

福太郎「今日も仲睦ましくてええね」

クロ「睦ましくねぇよ!」

お仙『で、なにしてたんダ?』

福太郎「んっ、お風呂なんやけど」

クロ「風呂がどうかしたのか?」

福太郎「いや、なんや綺麗になってない?」

お仙『いつもどおり冴えない風呂にしか見えないガ?』

クロ「一番使用率高い奴がよくいう…」

お仙『クロのためにいつも綺麗な身体でいたいノ。うフ。』

クロ「それで綺麗ってなんだ?」

お仙『スルー』

福太郎「いや、ほら、湯垢とかがついてなくない?」

クロ「お前が掃除してんじゃないのか?」

福太郎「掃除はしとるけど……ここまでしとったかなぁ」

クロ「一応聞くがお仙お前は風呂使うたびに……」

お仙『してないヨ』

クロ「だろーね」

お仙『ブーロネ?』

クロ「勝手にヘアカラーしてろ!!」

福太郎「んー、まぁええか」

クロ「気のせいだろ」

お仙『ウッドフェアリー?』

クロ「木の精じゃねぇ!!」

メリー「皆で何してたの?」

福太郎「いや、なんやお風呂場が綺麗になっとる気がしてな」

メリー「お風呂?昨日の夜誰かお掃除してたよね」

福太郎「へ?」

メリー「え?」

クロ「夜っていつ?」

メリー「んー、夜中のことだから覚えてないけど、お風呂場の電気ついてたよ」

福太郎「……クロ?」

クロ「いいや……お仙」

お仙『昨日は九時には寝てタ』

福太郎「夜中に起きては?」

お仙『なイ』

福太郎「……すっきー?」

すっきー『なんすか?』

福太郎「夜中にお風呂使った?」

すっきー『使ってないっすよ。っていうか、お風呂使ったことないっすよね』

福太郎「せやね。やのにお菓子みたいな香りのするすっきー」

すっきー『どんな香りっすか…。しかも何かこっ恥かしい…』

クロ「おい、ちょっと待てじゃあ誰だよ」

福太郎「んー……誰やろうか」

お仙『おお、これは事件だナ!』

クロ「なんで楽しそうなんだよ」
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