第仇夜『福太郎の不思議な日常』

ー集合墓地:あやかし屋ー

貞子たん『お茶がおいしいです…』

骨女『どうもなんし』

二口女「しかし、あれが大悪霊とは見えないね」

福太郎「元やからね」

悠「元ヤンと一緒だ」

ろくろっ首「ああ~。なるほど」

抜け首「いや、納得できんやろ」

悠「抜け首は元ヤンっぽいよな」

抜け首「なんでやねん」
ベシッ!
悠「こういうところ」

福太郎「なるほど」

抜け首「アンタも納得すな」

悠「しかし、この店は涼しいな」

福太郎「うんうん」

骨女『そりゃもういい感じに浮幽霊がさまよってますから』

悠「それ、大問題じゃね?」

福太郎「害はないんやろ」

骨女『ないですよ、もちろん』

悠「うちも冗談抜きで真桜の部屋に浮遊霊を放とうかと思う」

福太郎「なんか真桜ちゃんやったら見えそうやね」

悠「スカートのなか?」

福太郎「んっ、確かに見えそうやね」

骨女『あら、助平さん』

悠「男の子はすけべだす。」

福太郎「だす」

抜け首「だすってなんやねん。」

悠「まぁ、真桜は見られることに羞恥はあまりないと思う」

福太郎「ないんかな?」

悠「羞恥はないが、見た相手によっては命もない……かもしれない。」

貞子たん『ガタガタ、ブルブル』

二口女「そこで貞子たんが怯えるのはおかしくないかい?」

悠「怖がりなんだ」

ろくろっ首「なんや、色々大変やね~」

抜け首「いや、おかしない?呪い殺ししとった悪霊が怖がりて……」

福太郎「呪いを振り撒く大悪霊と」

抜け首「ん?」

悠「数千、下手したら数万年単位で生きて一国を傾け、ほぼ万能で不死身でほとんど神の領域に達してる九尾の狐。どっちが怖い?」

「「『……九尾の狐』」」

福太郎「貞子たんの自由は揺光さんのお膝元やからねぇ」

貞子たん『普段は優しいですよ…』

悠「揺光の場合、たいていの事で怒る必要がないだろうしな。どんな取り返しの着かないことしても、取り返せる」

福太郎「逆に言うたら怒らせたら洒落んならんてことやね。」

悠「おー、怖い怖い」

骨女『怖がってます?』

悠「いや、あんまり」

抜け首「なんでやねん」

悠「簡単に癇癪起こすようなレベルじゃないんだって。」

福太郎「ある意味では解脱しとるね」

悠「妖怪だけどな」

貞子たん『私もそうなりたい…』

悠「無理」

貞子たん『あう…』

福太郎「ゆるキャラ目指していこ。ゆるキャラ」

骨女『つまり、わたしと同じなんし』

悠「ゆるキャラ目指してるのか?」

骨女『マスコットガールでもいいです』

悠「骨のか?」

福太郎「骸骨って基本敵っぽいけどな。」

悠「スケルトン、ボーンナイト、ドクロイーター」

福太郎「最後のはリスやん」

悠「あいつでAP稼ぎしまくったわ。」

骨女『妖怪のウォッチとかで主役になれば一躍有名になれませんかね?』

悠「骨女を主役にするなら妖怪ガールウォッチにしたらいいかもな。」
89/100ページ
スキ