ｰ福太郎の部屋ｰ

福太郎「さて、落ち着いたところで、小袖ちゃん」

お仙『はイ』

クロ「テメーは違うだろ」

福太郎「改めて、小袖ちゃん」

小袖の手「はい」

福太郎「なんかこう具体的なプランというか、置いてそうな場所とか知らん?」

小袖の手「ええと……」

福太郎「……」

小袖の手「その……」

福太郎「……んっ、ええよ。わかった。ありがと」

小袖の手「す、すいません……」

クロ「まぁ、そうだわな。別に収集妖怪でもないわけだし」

メリー「やっぱり服屋さんかな?」

福太郎「ただの服屋ではダメなんやろね。老舗いうか年季が入っとるいうか」

クロ「ってか、端的に霊力が籠ってる服だろ」

福太郎「霊力が籠った……んっ、りんねセンセの服はどうやろ?」

クロ「あれに籠ってるのは怨念だろ」

福太郎「怨はないやろ」

お仙『血と汗と涙』

福太郎「それは……あるかも」

お仙『あと、R指定汁』

クロ「やめろ」

小袖の手「そういうのはちょっと……」

福太郎「ほんなら、道士様はどうやろ」

小袖の手「道士さま……ですか?」

福太郎「んっ、俺から見ても優秀な道士なんやけど」

小袖の手「本当にそんな高名な方の服をいただけれるのでしょうか?」

福太郎「んっ、くれるんはくれると思う」

クロ「まぁ、多分、くれはするだろうな」

お仙『うんうン』

メリー「……」

福太郎「連絡してみよか」

小袖の手「お願いします!」

福太郎「ちょっと待ってな。……あ、もしもし?ラムさん?お願いがあるんやけど、服ください……ん?切られた」

クロ「今のは誰がどう聞いてもお前が悪いよな」

福太郎「端的に用件だけ伝えたのに」

お仙『バッチリだナ』

クロ「どこがだよ!バッチリだったら切られてないだろ!」

福太郎「もんワンコールしてみるわ」

クロ「ちゃんと事情を説明しろよ」

福太郎「はーい。……あ、もしもし?」

ラム『今の電話は何?』

福太郎「ええと、小袖の手ってしっとります?」

ラム『小袖に憑く幽霊。』

福太郎「さすが、話が早い。」

ラム『それで?』

福太郎「服が欲しいんです」

ラム『説明下手か!』
クロ「説明下手か!」

福太郎「わー、今ツッコミがシンクロした」

ラム『こっちまで聞こえてきたわよ。小袖の手と私の服とどう関係するの!』

福太郎「今、うちに迷い小袖の手が居るんですわ。そんでもともと憑いてた小袖がなくなってしもーて困っとるんやけど、なんや新しい小袖に変わる霊力のこもった衣服が欲しいとのことなんですわ」

ラム『それならそうと最初から言いなさいよ……』

福太郎「あははは」

クロ「わざとか」

ラム『わざとね』

福太郎「おー、またシンクロした」