第仇夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「ほんで、話は分かったけど今日はどうするん?」

小袖の手「……よかったら一晩泊めてください」

お仙『しゃーねーナ』

クロ「なんでお前が偉そうにしてる」

お仙『なんとなくダ』

クロ「……」
ゲシッ
お仙『肩のほうを頼ム』

クロ「やかましいわ!」

福太郎「泊まるんはもちろんええんやけど……ちょい狭いで」

小袖の手「あ、壁にかけてくれたらいいです」

福太郎「ん?」

小袖の手「このジャケットを壁かけといてくだされば私はそこで大丈夫です。」

福太郎「せやけど身体あるやん」

小袖の手「こうしてる時は手だけになれるんです」

お仙『おお、便利……便利?』

クロ「いや、どうなんだろうな」

福太郎「まぁ、場所を取らんってことはわかったんで……よいしょ」
スッ
小袖の手「ありがとうございます。」

福太郎「暇になったらそこの箪笥の隙間覗いてな」

小袖の手「隙間ですか?」

すっきー『……』

小袖の手「誰かいます!こっちを見てます!!」

福太郎「すっきー」

すっきー『あ、どもっす。』

小袖の手「幽霊の方でしたか……」

福太郎「たぶん、同族系で話し合うんちゃう?」

小袖の手「は、はぁ」

すっきー『よろしくっす。』

小袖の手「よろしくおねがいします」

福太郎「さて……寝よかな」

クロ「そうだな」

メリー「すぅすぅ」

お仙『メリーはいつも早寝だナ。きっとすくすく育って大きくなるゾ』

クロ「ならねーよ。」

小袖の手「……面白い方たちですね。」

すっきー『悪い人たちではないっすから』


~~


福太郎「ということで、一夜が明けたわけですが」

クロ「……」

お仙『どした?』

クロ「いや、なんか寝た気がしない」

お仙『かわいい寝顔してたヨ』

クロ「簀巻きにして河川に投げ捨てるぞ」

お仙『いやン』

小袖の手「おはようございます」

福太郎「おはようさん。」

すっきー『おはようございます』

福太郎「んっ、おはよさん。どうやった?」

すっきー『盛り上がりました』

福太郎「盛り上がったんや」

小袖の手「私とすっきーさんは共通点が多かったんです。それで楽しくお話しできました。」

福太郎「それはまぁ、よかった。ちなみに小袖ちゃんは食事とかする系?」

小袖の手「いいえ、大丈夫です。」

福太郎「そう?あれやったら線香とか用意するよ?」

小袖の手「お、お気遣いなく」
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