第仇夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

りんね「お騒がせしました。」

福太郎「いえいえ、それよりどないしたんです?」

りんね「昨日の夜、寝苦しくて窓を開けてたのよ」

福太郎「そしたらいつの間にかカラスが侵入して……食われてたと」

りんね「ビックリよね。」

クロ「ビックリはこっちだよ」

メリー「じゃあ、死臭はりんね先生だったんだ」

クロ「だな……」

お仙『ほら、私じゃなかっタ』

福太郎「それにしても暑いっすもんね。」

りんね「そうなのよ。暑くて暑くて……困っちゃう」

福太郎「せやけど、窓あけらて寝るんはよした方がええですよ」

りんね「ホントね……。さすがに毎日突かれたくないし」

クロ「いや、そういう問題じゃないだろ」

りんね「え?」

福太郎「んっ、でも台風が来とるらしいですよ」

りんね「らしいわね。」

お仙『この建物大丈夫かナ』

福太郎「それは……平気かなぁ」

クロ「おい、不安なこと言うなよ」

福太郎「まぁ、屋根が飛んだりせんでも雨漏りがちょっと怖いな」

りんね「してるの?」

クロ「してるんだよなぁ。ちょうどこの上」

りんね「あらまぁ」

福太郎「めっちゃめちゃ豪雨やなかったら平気なんやけどね。」

メリー「りんねさんのところは?」

りんね「うちは雨漏りはないわね。」

クロ「ここだけか……」

福太郎「当たり目やね。」

クロ「ド外れだろ」

りんね「建物自体は古いものね。」

福太郎「ところによりめっちゃ新しいんやけどね」

お仙『そもそもこの建物は妖怪化してないのかナ』

クロ「あ?」

お仙『だってこれだけ妖怪とか幽霊とかいるのに妖気も霊力もたっぷり蓄えてるだロ』

福太郎「言われてみれば、せやね」

クロ「言われてみればって……まぁ、でも付喪神化するにしたってなぁ」

福太郎「そのうちすっきーが支配するかも」

すっきー『しないっすよ?!』

りんね「こんにちは」

すっきー『どもっす』

福太郎「まぁ、害がないなら妖怪化してもええよね」

クロ「いいのかよ。」

福太郎「ドアとか自動で開け閉めしてくれそうやん」

お仙『確かに便利!』

クロ「便利かぁ?それ」

りんね「でも、台風対策はしといた方がいいかもね。買い物とか」

福太郎「そやねぇ」

クロ「……買い物行っとくか晴れてるうちに」

お仙『カンパンかっとこうカンパン!あと氷砂糖!』

クロ「いらねぇよ」
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