第仇夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

布都「本当に?」

福太郎「ホンマです」

布都「といいつつ?」

福太郎「いえ、ホンマに人間です」

布都「……」

福太郎「……」

布都「つまり博麗の巫女みたいな、特殊な人間ということか」

福太郎「いや、全然。いたって普通の人間です」

布都「むむむっ」

クロ「いや、むむっじゃないだろ」

福太郎「んっ、せやけど……動物とは話せるで」

布都「動物?ああ、こやつは普通に話して居るではないか」

クロ「誰が動物だ!」

お仙『どードー』
ぺしぺし
クロ「うっとぉしい!」

福太郎「そうやなくて普通の動物と話せるんよ」

布都「それは、そこにいるネコとか?」

ミツバ『みゃー(ちくわ食べたいです)』

福太郎「んっ、ミツバは今、ちくわが食べたいらしい。なぁ、ミツバ」

ミツバ『みゃー(食べたいですー)!』

布都「動物と会話ができる……やはり仙人ではないですか!」

福太郎「逆効果やったかぁ」

クロ「逆効果だったな」

布都「そもそも、この人形も仙人の力で自立させているとみる」

メリー「いや、自立は自分でしたんだけど…」

布都「おまけにキョンシーもいる!」

お仙『……あ、私カ』

クロ「お前キョンシーの自覚ないだろ」

お仙『ちょっと忘れてただけダ』

布都「これはもう……仙人以外考えられない」

福太郎「考えて欲しいなぁ」

布都「どうか我に仙人の修業をつけてくだされ!」

福太郎「仙人ちゃうし。仙人の知り合いはおらんけど、道士の知り合いはおるで」

布都「つまり我の同朋にして兄弟子ということですな!」

福太郎「兄弟子?」

布都「仙人様の弟子の道士、つまり我の兄弟子」

福太郎「んー、仙人から離れん娘やなぁ」

クロ「仙人、仙人いってるが放火しようとするやつが仙人になれるのか?」

お仙『邪仙』

布都「それはいかん!それはいかんぞ!!」

クロ「いや、いかんぞって……どう見ても放火は悪行だろ。」

布都「違う!我は太子さまのために異教や妖怪をだな!」

メリー「でも、それってすごい悪いことじゃない?だれだれのためだったら何をしていいってことでもないし。仙人だったら、そういう悪いことをしなくていいようにするのが務めな気がする」

布都「う、うぅ……」

福太郎「泣きそうになっとるけん、やめたげ。正論ってめっちゃダメージでかいんやし」

クロ「正論っていっちゃってるじゃねーか」
55/100ページ
スキ