第仇夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

布都「う、ううん……はっ!」

福太郎「んっ、起きた」

布都「ここはどこだ!なぜ、我は縛られておる!しかもなんじゃ、ちょっと後頭部のあたりが痛い!」

クロ「元気だなこいつ…」

メリー「でも、若干記憶は飛んでるっぽいの」

お仙『これぞ必殺キョンシーブレイカー』

クロ「さっきと名前かわってんぞ」

布都「おのれ妖怪どもめ!さては、我を貶める気だな!そうはいかんぞ!今すぐに火を放ってやる!!」
ばたばた

福太郎「俺は人間やけどね。」

クロ「っていうか、火を放つとか言ってるぞコイツ」

メリー「放火魔?」

お仙『子供が火遊びすると漏らすゾ』

クロ「いや、そうじゃないだろ」

布都「ええい!火を放ってやるから縄を解け!」

福太郎「火、放つ言われて縄とくと思います?」

布都「いいや」

福太郎「そういうことです」

布都「ぐぬぬっ。口の回るものめぇ…」

クロ「いや、いたって普通のことしか言ってねぇから」

お仙『おなかすいタ』

福太郎「せやね、朝ご飯にしよか」

メリー「はーい」

布都「……」
ぐぅ…

福太郎「……朝ごはんいっしょに食べます?」

布都「ほ、施しはうけん!」
ぐぅぅ…

メリー「おなかは素直」

クロ「ほっとけ、ほっとけ。」

福太郎「ホンマにええの?一応、用意はしたんやけど。」

布都「い、い、いらん!」

メリー「迷ってる」

クロ「だからほっとけよ。」

お仙『もぐもぐもぐもグ』

クロ「そしてすでに食ってやがる」

福太郎「しゃーないか。ほんなら、俺らは朝飯食べるんで後でお話しましょか」
スッ

布都「あ……」

福太郎「……意地張ってもおなかは満たせんで?」

布都「ごは……ん……たべたいです」

福太郎「んっ、ほんなら、放火しない、暴れない、約束できますか?」

布都「わ、わかった。」

福太郎「んっ、ほんなら、縄とくんで」
しゅるる
布都「ほっ…」

クロ「折れるの早かったな」

メリー「ほんとに」

布都「う、うるさいわ」

福太郎「とりあえず。おにぎりと味噌汁か納豆トーストと味噌汁どっちがええ?」

布都「おにぎりで!」

福太郎「納豆トースト人気ないな」

クロ「いや、納豆は飯じゃないとダメだろ……」

福太郎「そーかな……あむ。」

メリー「どう?」

福太郎「……まずくはない。せやけど、トーストにしたんは失敗やな。焼いてないパンに納豆のせたほうがええっぽいわ」
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