第仇夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

悠「脱臭機ってあるじゃん」

福太郎「空気清浄機じゃなくて脱臭機?」

悠「そうそう」

福太郎「ああいうんて業務用とかで高いんちゃうん?」

悠「いや、家庭用のもある。安いので七千円台。ごついので数万単位」

福太郎「ピンキリやな」

悠「そうそう。それでまぁ、奮発してちょっといいものを買ったんだ」

福太郎「脱臭機いるほど臭うたん?」

悠「んー、ほら、うちって超大型犬とマリオ様と狸と狐と座敷童モドキがいるじゃん」

福太郎「座敷童って動物枠何?」

悠「あれは……動物枠かな」

クロ「何気にひどいな…」

悠「そしたら今って梅雨じゃん……ちょっと臭うんだよ。やや獣臭が……」

福太郎「んー……」

悠「あと、最近行楽のドボケが室内でタバコ吸うから臭い。殺したくなる」

クロ「タバコ吸うだけでそこまで殺意もたれるとか……」

悠「ちっちゃい子もいるんですよ!フジコフジコ!」

福太郎「ヒステリなキチママみたくなっとるで」

悠「おっと……まぁ、それで購入したんだがな」

福太郎「ふんふん」

悠「起動してみたらさすが高いだけあって効果は高かったんだ。ランプの色によって脱臭状況がわかるんだけど……」

福太郎「けど?」

悠「なぜかおれが機械の前を通るとすっごい勢いで赤ランプがつくんだ…」

福太郎「……」
クロ「……」
お仙『……』
メリー「……」
すっきー『……』

悠「どう思うよ?」

福太郎「んー……いうても、そんな臭ぁないで。」

悠「まぁ、いうてもお風呂大好きだし。この長い髪も毎日一時間かけてシャンプーしてるし。服だって洗ってくれてるし……清潔度でいったら高い方なはずなんだけどな」

クロ「心か脳が腐ってるんじゃないか?」

悠「あとで黒の下着二枚持っていく」

クロ「やめろ!!」

お仙『何に使うのか詳しク』

クロ「テメーもなに聞いてる!!」

悠「脱臭機の前においてやる、一枚はまぁお察しで……」

クロ「死ね!」

福太郎「ストレートやなぁ」

悠「という感じで若干脱臭機に喧嘩売られてるんだよな」

福太郎「悠が通るたびに照れて顔が赤くなっとるってことで脳内補完」

悠「おっと、流れ変わったな……」

クロ「何も変わってねぇよ」

悠「いや、擬人化ってアリアリアリアリアリアリーヴェルチ!だと思う」

福太郎「脱臭機のだっしゅーたん」

悠「おほっ、オラすげーワクワクしてきたぞ!」

クロ「病気だろ」

悠「毎日ちゃんと虹色のお薬飲んでるよ」

クロ「そんなの飲んでるからおかしくなるんだろ」

悠「目から魚鱗」

クロ「鱗って家や」

福太郎「竜鱗は?」

悠「出たら、竜鱗の剣にしよう」
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