ｰ集合墓地:あやかし屋ｰ

悠「ふー、ちょっと甘いものが食いたいな」

福太郎「甘いものは別腹?」

悠「そゆこと。」

骨女『かき氷とかできますよ』

悠「マジで」

福太郎「かき氷かぁ。夏っぽいな」

骨女『ぽいでしょう』

悠「じゃあ……かき氷もらっちゃおうかな」

骨女『何味にします?』

福太郎「何味があるん?」

骨女『イチゴ、メロン、レモン、抹茶、みぞれの王道系ですね』

福太郎「んー、悠なんにする?」

悠「日本酒かビールがいいな」

骨女『ないですねぇ』

絡新婦「っていうか、かき氷じゃないだろそれ」

悠「かき氷自体はかき氷だろ。たとえシロップ抜きだとしても、かき氷はかき氷なんだから」

絡新婦「ぐっ…」

福太郎「まぁ、せやな。氷削ったもんがかき氷やし」

絡新婦「ぐぬぬっ」

悠「そこまで悔しがらなくてもいいだろ」

二口女「でも、いいねぇ。日本酒かき氷」

悠「美味いぞ。最終的には冷酒になるけど」

福太郎「せやろね。」

ろくろっ首「それでなんにする?」
うにょうにょ

悠「よう首子。」

ろくろっ首「いらっしゃい。楽しそうに話しとるから伸ばしてしもたわ」

福太郎「ある意味便利やな」

悠「でも、身体を厨房に置きっぱなしって怖くね?」

ろくろっ首「暴れたりはせーへんし。さすがに火かけとったらノバさんよ。なぁ、抜けちゃん」
うにょうにょ

抜け首「当たり前や。そないな危ないことせーへん」
ふよふよ

悠「まぁ、どっちにしろ弱点は放置だよな」

福太郎「ろくろっ首ちゃんに至っては首が弱点やしな」

抜け首「それで何にするんよ」

福太郎「んー……イチゴかな」

悠「おれはきゅうりとトマトと生卵落としてくれ」

抜け首「なんでやねん!」

悠「いやいやサラダかき氷卵黄乗せだよ」

抜け首「えぇ…」

福太郎「冷たいサラダっちゃサラダかな」

悠「割とうまいぞ」

骨女『悠さん、デザートですよね?』

悠「……そうだった」

絡新婦「忘れてんな!」

悠「しかたない。みぞれでいいや」

抜け首「初めから普通のたのみや、ホンマ」

ろくろっ首「じゃあ、ちょっとまっといてね～」

悠「デザートだったなぁ。忘れてたわ」

福太郎「ビールとかはデザート枠何かな」

悠「デザート枠かな。梅酒とかになると完全にデザート」

骨女『梅酒ぐらいならうちのメニューにも加えてもいいかもですね。』

福太郎「甘酒とかな」

骨女『ありですね』