第壱夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

ある日の昼、悠と恋ちゃんが遊びに来てなぜかコロッケをあげてくれた。

悠「はーい、揚ったわよ~」

福太郎「こういう場合ってフツーは恋ちゃんが揚げてくれるもんちゃうん?」

恋「まぁ、言わんとしとることは分かるんじゃが……奴はアレで料理が上手い。悔しいが恋より上手なんじゃ。」

福太郎「たしかにこのコロッケめっちゃ美味いわ」

悠「男やもめに蛆がわき女やもめに花が咲くというがおれには関係ないってことさ。はい、次はメンチよ、メンチ。メンチビーム」

福太郎「メンチビームは遠慮するわ」

すっきー『男やもめに蛆が湧くってのは聞いたことがありますけど女やもめのくだりは初めて聞きました』

恋「なにをいうておる。そこを含めて一つの諺ぞ?」

すっきー『え、そうなんスか?』

福太郎「せやで、「やもめ」いうんは、本来は配偶者を失った者のことをいうんやけど、妻を亡くした男性は、それまで家事をしてくれとった妻がなくなって、自分が家事をするようになるんやけど不慣れなため、家の中に蛆がわくように汚くなる。対して、夫を亡くした妻は、夫の世話から開放されてますます綺麗にする時間が増えることから、部屋の中も清潔になり身なりにも気を使う余裕が出るンで、花が咲いたように華やかになるいう意味なんよ」

すっきー『ほへー』

メリー「ご主人様博識~」

福太郎「せーやけど、悠の場合は男やもめ言わんと思うけどな」

恋「そうか?」

福太郎「現に恋ちゃんがおるやん」

恋「……」

福太郎「……」

恋「なっ///!!」

福太郎「ちゃうのん?」

恋「意味が分からぬことをいうなっ///!!」

悠「メンチあがったよ!!メンチビームでこんがり焼きあげたぜ!!」

ドササッ!
福太郎「メンチタワーや……。」

悠「次はからあげ揚げるぜ!からあげ!!」

福太郎「え、いや……えぇ。」

恋「コロッケだけでも大量なのにまだ揚げるつもりか……。」

悠「からあげでラストだ。二キロ分上げるからな」

福太郎「食えへんて」

悠「二、三日なら持つから大丈夫だ。チンして食べなっせ」

福太郎「んー……ほな、そないしょうか」

恋「おぬしも断らんのな……。」

福太郎「いや、しょーじきいうてメンチも美味いしからあげも味わいたい」

恋「食は偉大じゃな」

福太郎「男は胃袋で掴むいうやん」

恋「掴まれとるのか?!」

福太郎「いや、物の例えとしてやん」

恋「本当じゃろうな……。」

福太郎「俺は普通に女の子が好きやし」

すっきー『でしょーね!』

メリー「本当にねっ!」

悠「だけど福ちゃんて(生身の)女の気配無いよな」

福太郎「そりゃあ悠みたいにモテへんし」

悠「おれだってモテねぇよ。舐めてたら福ちゃんにも手を出さざる得なくなるぞコラ」

福太郎「アカンて、おれやレゴブロック並みに砕けるで?ホンマ簡単にバラバラ」

悠「レゴって結構、頑丈何だぞ」

福太郎「あ、そうなんや」

恋「なんの話をしておるんじゃ」

悠「なんだ、構って欲しいのか?」

恋「なにをほざくか。」

福太郎「あっ、からあげ美味っ。」
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