第仇夜『福太郎の不思議な日常』

ー首姉妹の部屋ー

悠「よいしょ、これでコンロはおっぺけぺー」

福太郎「文明開化の味がする」

抜け首「アンタらいっつもそんな調子なん?」

悠「ごくたまにおれがツッコミするよ」

福太郎「ボケやけど悠がおったら基本はツッコミするで」

クロ「いいから働けよ」

ろくろっ首「ううん……冷蔵庫重い…」
うにょにょ

福太郎「首伸びとるよ」

悠「力むと伸びるものなのか?」

福太郎「歯食いしばる的なんちゃう?」

悠「食いしばるならおれも良くしてる。殴られるときとか」

抜け首「正しい食いしばるの使い方やろうけども……」

悠「っか、クロひとりで冷蔵庫くらいもてんじゃね?」

福太郎「クロはパワー系ちゃうから」

悠「何系?」

福太郎「……探索系かな。トラマナとかインパスなら使えると思う」

悠「びみょー」

クロ「おい、こら!ひとを微妙キャラ扱いすんな!」

福太郎「ちなみでそれでも俺より力は強い」

抜け首「自分、どんだけ非力やねん」

福太郎「ライバルはカブトムシです」

悠「あー、カブトムシは強いな。ヘラクレスになんかなったら冥界の王とか倒しそうだし」

クロ「それは神話のヘラクレスだろ」

悠「え?」

ろくろっ首「ふひー……」

福太郎「お疲れちゃん」

ろくろっ首「はーはー……もーむりー……」
くてぇ~

福太郎「首ごとダレたな」

悠「この娘、首弱点だよな」

抜け首「せやで」

悠「こんな状態で足引っ掻けたり、踏んだりしたら即死級だぞ」

ろくろっ首「やめて~」

福太郎「まぁ、人間でも首蹴飛ばされたり踏まれたりしたら死ぬよな」

悠「死ぬほど痛いのは確か。だから、おれは何かされそうになったら首を一番にガードする。」

抜け首「何と戦かっとんや」

悠「鬼とか龍とか?」

抜け首「どないやねん…」

悠「ドライアヘン?」

クロ「吸ってんのはお前だろ」

悠「薬ダメ絶対」

福太郎「飲む薬は?」

悠「七色のお薬だけだよ」

クロ「それこそ飲んだらダメだなやつだろ!!」

悠「あとは薬じゃないけど駒狸汁とかかな…」

抜け首「……なにそれ」

悠「摩訶不思議な飲み物。飲んだあと……健康になる」

抜け首「今なんか間があいとったんやけど」

悠「アレだよ。現代の超神水だよ」

福太郎「超神水って失敗したら死ぬよな」

悠「死なないけど意識が飛ぶぐらいだよ」

クロ「それ飲んでんのか」

悠「一か月に一回で許してもらってる」

抜け首「許す許さんの話になっとるんやけど」

悠「あの笑顔に対して何度も断るのは……無理だ」

福太郎「これが悠のええところやね」

悠「へへっ」

クロ「違うだろ」
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