第仇夜『福太郎の不思議な日常』

ー集合墓地:あやかし屋ー

骨女『それで決めてきたんですか?』

ろくろっ首「そうなんよ~。不思議なダンジョン着きやで~」

二口女「……それはいいことなのかい?」

抜け首「いや、うちらは開ける気ないし」

ろくろっ首「ゆー君が潜りに来るかもなぁ~」

抜け首「アレを家にあげる気満々なんかい!」

福太郎「引っ越しはいつするん?」

ろくろっ首「荷物も多くないし二人で少しずつやってこうかと思っとるよ~」

福太郎「手伝いがいるんなら手伝うよ乗り掛かった舟やし」

ろくろっ首「おおきに」

抜け首「引っ越しもそうやけど、色々買わなあかんな」

骨女『首置きとか』

抜け首「首置きってなんや!さらし首見たくなるやろ!」

福太郎「……面白い!」

抜け首「おもろないわ!」

絡新婦「でも、引っ越しってなるとホント色々物入りだろう」

抜け首「せやねー。とりあえず必須のコンロとか冷蔵庫は速めに買いたいなぁ」

福太郎「聞いてええんかどうかわからんけど、お金大丈夫なん?」

抜け首「正直いうとちょっと辛いね」

ろくろっ首「ね~」

骨女『じやあ、お給料50円アップしてあげます』

福太郎「おー、やさしい」

骨女『ブラックじゃないですからね。ブラックじゃないですから。』

福太郎「二回いうたね。」

骨女『大事なことでなんし』

二口女「まぁ、でも、先立つものは必要だろうね。よし、引っ越し祝いに私から何か買ってあげるよ」

抜け首「ホンマか!」

二口女「ただし、五千円以内でね。」

抜け首「また微妙な額を……」

福太郎「五千円を元手にギャンブル」

骨女『ほう……ギャンブルというと?』

福太郎「スクラッチくじ」

抜け首「若干健全やな…」

福太郎「まぁ、冗談やけどね。」

ろくろっ首「ギャンブルはあかんよ~」

福太郎「ろく子ちゃん自称不運もちやしね。」

絡新婦「二口が出すならわらわもだすべきじゃろうな。」

ろくろっ首「じょろちゃんええの?」

絡新婦「いいさ。ほら、五千円」

骨女『なら、わちきからは一万円。これで合計で二万円。』

福太郎「コンロは買えそうやな。」

抜け首「みんな……おおきになぁ」

ろくろっ首「おおきにぃ~」

揺光【邪魔するぞ】

福太郎「んっ、揺光さんと……」

悠「ハーイ、お元気ー?のポーズ!」

福太郎「やっぱり悠」

ろくろっ首「ゆー君昨日はどうもー」

悠「おー、どうもー。家のほういったら留守だったからこっち来たんだよ」

ろくろっ首「何か用事?」

抜け首「ダンジョン行きたいとかそういう理由やろ」

悠「いや、必要かどうかわかんないけど、物置から古い冷蔵庫とガスコンロとか掘り出してきたから持ってきたんだ」

「「「『……』」」」

悠「あれ、なにこの空気?」
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