第仇夜『福太郎の不思議な日常』

ー池袋:西口公園ー

福太郎「……」

悠「はーい、待ったぁん?」
ぴとっ
福太郎「めっちゃ冷たいわぁ……」

悠「だろう。間違えて凍らせたビールを自然解凍しかけてるもの」

福太郎「ああ、それで悠も汗だくなん?」

悠「小一時間日向を歩いてきた」

福太郎「死んでしまうで」

悠「ということでさっそくフローズンビールを飲む!」
カシャぶしゃー!

福太郎「飲むっていうかかぶったな」

悠「べろっ……しゃりしゃりしてる。」

福太郎「美味しい?」

悠「美味しいですができればお口だけで味わいたかったなぁ。はい、福ちゃんもどうぞ」

福太郎「……」
カシャぶしゃー!
悠「がぶっ!」

福太郎「ごくっごくっ。あ、めっちゃ美味しい」

悠「ふっ、ふふっ。こっちに向けて開けるとはやってくれるじゃん。」

福太郎「しっかりと口でキャッチしてくれると思ってな。お味は?」

悠「めっちゃフローズンそれで呼び出して何よう?じゅりじゃり」

福太郎「じゅるじゅる……んっ、首姉妹居るやん」

悠「あぁ、斬首と縛り首の」

福太郎「抜け首とろくろっ首」

悠「似たようなもんだろ」

福太郎「まぁ、首が取れるんと伸びるっていう意味ではせやけどね……。っで、続けてええ?」

悠「いいよ」

福太郎「首姉妹が住むところ探しとるんよ」

悠「えー……んー、まぁ、二人ぐらいいけるけどさ」

福太郎「え?」

悠「え?」

福太郎「えーと、話し続けるな?」

悠「うん」

福太郎「首姉妹が住むところを探しとるんよ。」

悠「うん。で、おれに相談ってことは……うちに住まわせる的なアレ?」

福太郎「ううん。違う」

悠「あれ、違ったか」

福太郎「うん。うちに住まわせるって話で……」

悠「福ちゃんところか。さすがに狭そうだな…あ、わかった。壁をぶち破る手伝いだな」

福太郎「ううん。」

悠「これでもなかったか……」

福太郎「端的に言うたら夢見長屋の管理人さんに仲介したげてくれへん?」

悠「ああ、そういうことか」

福太郎「そういうことやねん。」

悠「いいよ。いつ?」

福太郎「いつがええ?」

悠「私は一向に構わん」

福太郎「烈悠王。ほんなら今日の夕方?」

悠「わかった。じやあ、福ちゃん携帯貸して」

福太郎「何するん?」

悠「管理人ちゃんに電話しとく」

福太郎「自分の携帯は?」

悠「無くさないようにリビングのテーブルの上に置いてある」

福太郎「携帯の存在意義が疑われるな」

悠「気にしたら負けだ」

福太郎「せやね。」
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