第仇夜『福太郎の不思議な日常』

ー集合墓地:あやかし屋ー

福太郎「んっ、ほんで思ったんやけどだ」

骨女『はい?』

福太郎「1DKでええんやったらうち(夢見長屋)でええんちゃう?」

骨女『福太郎さんの部屋にさらに二人も追加ですか?それはいくらなんでもきつ過ぎるような…』

福太郎「たぶんやけど、上も下も部屋あいとるっぽいし妖怪関係のひとも話が早あて住みやすいで」

骨女『おやおや、スルーでなんし』

ろくろっ首「だってさぁ~。抜けちゃんどうする?」

抜け首「それはええ話やけど、フクタロが大家さん紹介してくれるんか?」

福太郎「んー、俺よりもっと大家さんと親しい人居るし。そっちに頼んでみたらどうかな」

抜け首「だれ?」

福太郎「悠」

抜け首「あいつかい!」

ろくろっ首「抜けちゃん照れてる~」

抜け首「なんでやねん!!」

福太郎「今度話して連れてくるわ」

骨女『そういえば悠さんは相変わらず一人だとここを見つけられないんですね』

福太郎「本人と一部のひと曰く霊能力ないらしいしな。」

骨女『でも、福太郎さんたちといるときは見えてるんですよね?』

福太郎「見えるにしても皆みたいに実態がある系の妖怪とか幽霊でもめっちゃ悪霊みたいに濃い霊系は見えるっぽいで。やから、かなり薄めのすっきーは未だに見えとらんぽいし」

絡新婦「わらわも幽霊だったらセクハラされずに一方的に締め上げられたのに…」

福太郎「見えへんだけでなぜか居場所とかセクハラとかはでけるよ」

絡新婦「なんでだよ!!」

福太郎「それは……悠のセクハラパワーがすごいとしか言いようがないかな。せやけど相手側の反応がわからん、見えんしなんも感じんから楽しいはないいうてたわ。やっぱり反応あってこそセクハラって楽しいんやん?」

二口女「真顔でなかなかのこいとうよね。福太郎も」

福太郎「どうも」

絡新婦「褒められてはないからな」

骨女『ま、ちょっとぐらいならサービスしますよ。』
チラッ
福太郎「……健康的な白い骨です」

二口女「残念胸ちら」

骨女『なにかいいましたか?』

二口女「なんにもいってないよ」

福太郎「見えとるとこ以外に肉付けせんのは省エネ何?」

骨女『そんな感じですね。見えてないからいいかなって』

福太郎「オシャレは見えんところからやで」

抜け首「そんな話だっけ?」

福太郎「りんねさんは内臓とか見せたがるけどね」

ろくろっ首「本当に何の話?」

福太郎「いや、不死系の人は内臓とか見せたがるんやったら骨系の人は骨を見せたがるんかなって」

二口女「その流れだと私は口?」

ろくろっ首「私は首?」

抜け首「いや、そんなことないだろ」

絡新婦「だいたい、そうなったらわらわは何を見せるというんだ」

福太郎「足かな」

骨女『おしり?』

二口女「糸じゃないかい」

絡新婦「わらわを何だと思っている!」

「「『蜘蛛』」」
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