第仇夜『福太郎の不思議な日常』

ー集合墓地:あやかし屋ー

福太郎「ふぅ、ごちそうさん。」

骨女『お茶のおかわりはいかがなんし?』

福太郎「ほな、もらおかな」

骨女『はーい』

福太郎「ところで、みんなって普段どうしとるん?」

二口女「普段?」

福太郎「ここで働いとる以外のとき」

骨女『私はここで寝起きしてますよ』

二口女「私は夜までここにいて日中はぶらぶらしてる」

福太郎「じょろさんは?」

絡新婦「滝で住んでる」

福太郎「あそこから通っとるん?!」

絡新婦「たった三駅だ」

福太郎「電車代は?」

絡新婦「……」
シュルルッ

福太郎「おっ、おぉ!」

蜘蛛『このサイズになれば電車に乗り込むのも張り付くのも問題ない』
シュルルッ

福太郎「乗りこむんはともかく、電車に張り付いて平気なん?」

絡新婦「妖怪だからね。」

福太郎「そーなると首姉妹は?」

ろくろっ首「実はまだちゃんとした家ないんよね~」

福太郎「え?」

抜け首「別にホームレスって訳じゃないよ。今は歪業屋さんの貸し家にお世話になっとるんよ」

福太郎「そうなん?でも、十分人間の生活に溶け込んどるやん」

ろくろっ首「あぁ、私らはそういのは大丈夫なんやけどね。住む場所だけが決まってないんよ。」

福太郎「理想の立地は?」

抜け首「そうやね……1LDKでここから近かったら最高かな」

福太郎「1でええの?」

ろくろっ首「抜けちゃんとはずっと一緒やったし~わざわざ部屋分けんでもいっしょで平気やで~」

骨女『それをいったら、福太郎さんなんて1DKで五人と一匹暮らししてるじゃないですか』

福太郎「メリーちゃんは一匹よりサイズ小さいし、すっきーに至っては室内別室住やから、三人やで」

二口女「三人でも1DKだとけっこう手狭っぽいねどね」

絡新婦「……なぁ、1KDKと1DKって何が違うんだ?」

ろくろっ首「さぁ~」

抜け首「抜けちゃん……さぁて」

福太郎「1DKのDKは、ダイニングキッチンという意味があってな。基本的には1Kと同じタイプで居室とキッチンに仕切りがあるんやけど、1Kに比べてキッチンが広い場合に1DKいうやで。」

絡新婦「へー、広さはどのくらい?」

福太郎「そらまぁ目安は不動産会社なんかによって違いはあるけど、4.5帖~8帖までの広さだと思っとったらええんちゃうかな」

骨女『詳しいですねぇ』

福太郎「伊達に引っ越し繰り返してないしなぁ」

骨女『じゃあ、1LDKだとどうなりんす?』

福太郎「1LDKのLDKはもちろんリビングダイニングキッチンという意味合い。リビングいう名前がついとるだけに結構な広さがあるよ。一般的には、8帖以上の場合に使用されるで。」

ろくろっ首「そうなんや~」

抜け首「そうなんやって……前一回説明したよな…」

福太郎「間取りの表記は、こんなふうにL=リビング、D=ダイニング、K=キッチンになっとんよ。ただし、広さはあくまでも目安であって、決まった基準がある訳やないから、部屋選びの際にはDKやLDKという表記に惑わされずに、平米数までチェックすることがオススメやで」

ろくろっ首「は~い」
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