第仇夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「今日30度越えとる場所があるんやって」

クロ「夏かよ」

福太郎「梅雨の前に夏が暴れとるよなぁ」

メリー「でも、私、梅雨よりは暑いだけの方がいいわ。ジメジメしたの嫌だもの」

お仙『私もダ』

クロ「ものが腐りやすいしな」

お仙『カビとかにも気を付けないとナ』

クロ「動じやがらねぇ…」

福太郎「お仙は腐ってはないしね。」

お仙『別にBLとか好きじゃないゾ』

クロ「その腐ってるじゃねーよ」

福太郎「GL?」

お仙『エヘッ♪』
スッ
クロ「手を重ねるな!」
バシッ!
お仙『ツンデレさんメ』

クロ「火山口にでも突き落としてやろうか…」

揺光【火山に浸かるのもまた一興ぞ?】

クロ「うわっ!」

福太郎「んっ、揺光さん、いらっしゃい」

揺光【うむ。邪魔しておる。】

クロ「アンタといい悠といい、なんで普通に入ってこれない」

揺光【普通に入ったが?】

クロ「音も立てず、気配も無く、ドアが開いて様子もなくな」

揺光【普通じゃろ】

福太郎「妖怪のテクニックとしてですか?」

揺光【否、淑女のたしなみじゃ】

クロ「どこがだよ!!」

メリー「わかる」

お仙『あー、メリーちゃんも電話相手の後ろに現れる系だもんネ』

福太郎「予告コールはあるけどな」

メリー「今はもうしないもん!」

クロ「なんだかなぁ…」

福太郎「っていうか、今、溶岩に浸かるいいました?」

揺光【言うたぞ】

福太郎「それは、溶岩で沸かしたお湯とかやなーて?」

揺光【違う。あのドロドロに溶けた溶岩じゃ】

クロ「浸かれるか!」

揺光【我慢が足りん奴じゃな】

クロ「がまんの問題じゃねぇよ……」

メリー「暑いの平気なの?」

揺光【伊達に狐火を扱う妖ではないぞ。まぁ、妾の場合は神界の炎を浴びても平気じゃが。】

福太郎「なんか知らんけど規模が違うなぁ」

揺光【まぁ、ちとは火傷するかもじゃがな】

クロ「火傷程度の話かよ…」

揺光【火傷は怖いではないか。妾のたまの肌が傷物になってしまう】

クロ「……」

お仙『私も火は怖イ』

クロ「よく燃えそうだしな」

揺光【一度防火処理をしておくといい】

福太郎「そんなんできるんですか?」

揺光【できるぞ。火鼠の皮から絞った油を塗るとかの】

福太郎「火鼠を見つけるんが困難ですやん」

メリー「かぐや姫の難題だっけ?」

クロ「だったなぁ」

揺光【妾もちょっと前までは持っておったんじゃが。必要ないと思って悪魔に売ってしもたのう】

福太郎「悪魔に売るんすか?」

揺光【色々と買ってくれる悪魔が居ってな。こんこん♪】
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