第壱夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

~都市伝説~

【壁に耳あり】

とある医大の解剖実習でのこと。 何を思ったのか実習生の一人が、メスで切り取った献体の耳を壁に貼り付けにし、こう言ったのです。 「壁に耳あり」 その後、大学で彼の姿を見た人はいないそうです。


~~

福太郎「という話しを聞いたんやけど、実際その光景を見てみたーて仕方がないので……すっきー頼んでええかな。壁ン中入れるやろ?」

すっきー『えぇ~面白くもなんともないとおもいますよ?』

福太郎「まぁ、ええから、ええから」

すっきー『はぁ……こんな感じっすか?』

ぬっ!

福太郎「もうちょっと奥へ、あと腕でとる」

すっきー『あ、はい』

見事に壁から耳だけ出ていて、まさに壁に耳あり状態が完成した。

福太郎「ほほぅ、上出来や」

メリー「シュールな光景ね……」

福太郎「……」

不意に福太郎は耳に近づくと舌先でれろれろと舐めた。

すっきー『んみゃああぁぁっーー///!!!』

福太郎「ふぅ、満足」

すっきー『やっぱりやったー!この野郎っ!』

福太郎「やっぱりいわんといてな。最初から狙ってやったわけやないで?どうも耳をみたらついな」

ようよう「そういうネタだったら俺もできるぜぃ」

福太郎「ん?」

ようようは頭と下半身を動かさずにググッと上半身を回しだした。そして頭微動だにさせず身体は真反対に向いた。なかなかホラーチックな映像。

ようよう「背に腹は代えられる」

福太郎「やるなぁ。ようよう」

すっきー『うわー……』

今度はドリルのように腕が幾重にもねじれていく。

ようよう「赤子の手をひねる」

福太郎「おお~、上手い上手い」

すっきー『はーい、私もいきます』

福太郎「ん?」

壁と壁のすき間に入って髪の毛だけ出して……。

すっきー『間髪いれず』

福太郎「ええやん、この調子でメリーちゃんもなんかいってみよか」

メリー「え……ええ?急に言われても……」

福太郎「さぁさぁ」

悩んだ挙句、メリーは自分の頭を掴んで持ち上げた。スポッと引っこ抜けて胴体から頭が浮く。

メリー「ご、ご主人様に首ったけぇ~…………とかっ?」

ようよう「兄さんはなんかないのかい?」

福太郎「んー……ほんなら、こんなメリーちゃんを「食べちゃいたいほど可愛い」やな」

文字通りパクっとメリーを咥える。

メリー「や~!たべちゃだめー!!」

すっきー『福太郎さん、悠さんみたいな真似するようになってきたっすね……』

福太郎「ぷはっ……せやろか?」

ようよう「まぁ、いきなり舐めたり咥えたりする人種はなかなかいねぇな」

福太郎「んー……まぁ、ええやん」

すっきー『やられる方の身にもなってくださいっス……』

メリー「本当よ、も~っべとべとっするし」
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