第捌夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

りんね「福太郎君は面倒見がいいからね」

福太郎「せやろか」

クロ「面倒見がいいというより普通に流されてるだけ気がするが……な。」

福太郎「んっ、かもな」

クロ「少しは否定しろ」

勇義「あっはっは。確かに面倒見がいいのは分かるぜ」

りんね「私もよくわかるわぁ」

福太郎「いやぁ、それほどでも」

クロ「褒められてないからな」

お仙『マジデ?!』

クロ「なんでお前が驚く…」

お仙『ノリ』

クロ「蹴り飛ばしてぇ」

勇義「おお、やれやれ。喧嘩は宴会の花だ」

クロ「それは祭りだろ」

りんね「喧嘩祭りってあるわよね」

福太郎「喧嘩祭りいうてもどつきあいするわけやないですけどね」

クロ「知ってるよ」

勇義「え?」

クロ「いや、アンタは何かいいや…」

福太郎「ってか、勇義さんがどつきあいしたら死人がでません?」

勇義「……ははっ」

クロ「おい、やっぱりコイツあぶねーぞ」

福太郎「一撃必殺の威力は昼間十分味わったしなぁ」

勇義「あの時は大分手加減したぞ」

福太郎「あぁ、死ぬわコレ。普通の力で叩かれたら死ぬパターンや」

お仙『噛んどくカ?』
カパッ

クロ「それ、キョンシー化であって死ななくなるのとか耐えられるようになるのは違うからな」

りんね「不死は不死で大変よ?」

福太郎「りんね先生が言うたら説得力ありますわ」

りんね「そう?」

クロ「スプラッタしまくりだろ」

お仙『でも、自動再生が高いのは得だよナ』

福太郎「得なんや」

お仙『私は壊れにくいけど再生力はあまり高くないからナ』

勇義「大抵の妖怪ってのは再生力は高いもんだけどな」

福太郎「勇義さんも?」

勇義「まぁ、骨折ぐらいなら寝たら治るわな」

メリー「先生は?」

りんね「一分くらい固定してたら治るわね。あ、でも複雑骨折したら一回切断してくっつけ直した方が早いわ」

クロ「無茶苦茶だな」

勇義「なにそれ、スゲーじゃん」

福太郎「せやけど、脆いんで手出しはやめてくださいね。」

勇義「脆い?あぁ、腐ってんのか」

クロ「ストレートに言った…」

勇義「違うのか?」

りんね「腐るって何のこと?」

クロ「なんで切断とかはフツーに自分でいったくせに、そこだけは何をいってるか分かんない風になってるんだよ」

福太郎「聞きたぁないことはスルーするって大事なことやと思う」

クロ「いや、大事ではねーから」
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