第捌夜『福太郎の不思議な日常』

ー池袋:西口公園ー

悠「挨拶は大事だな」

福太郎「大事やね。」

悠「それで福ちゃんなにしてんの」

福太郎「ちょっとお酒買いに出かけたところでノックバックしてしもたんよ」

悠「獅子戦哮でも喰らったのか?」

福太郎「鬼張り手かな」

勇義「軽く叩いただけなんだけどなぁ」

ラム「それで人が吹っ飛んだんだけどね。」

悠「あちらの背の高い美人は?」

福太郎「鬼の勇義さん。リアル鬼」

悠「鬼女……ラムちゃん」

福太郎「彼女って宇宙人やろ」

悠「おぉっと、そうだった。」

福太郎「悠はなにしとるん?」

悠「池袋に出てぶらぶら」

福太郎「んっ、いつものお仕事ね。」

悠「職業、池袋警備員」

福太郎「ちょっとカッコええやん」

悠「まぁ、池袋にはS・ウルフっていう自衛団がいるけどな…」

福太郎「彼らって自衛団なん?」

悠「カラーギャングともいう」

ラム「全然違うでしょ…ソレ」

悠「とりあえず立ち話も何だし、あそこ行く?あ、いや、アソコイクゥ?」

福太郎「いっきに卑猥になった」

ラム「通報されるわよ」

福太郎「まぁまぁ、とりあえずお酒かっていこか。」

勇義「お、ようやく行くのかい?」

福太郎「ええ、とりあえず適当に買ってお店行きましょ」

ラム「お店?」




ー集合墓地:あやかし屋ー

骨女『いらっしゃいなんし~』

福太郎「どうも、四人いける?」

骨女『どうぞ~』

ラム「ちょっと待て!」

福太郎「なにか?」

ラム「いつの間に集合墓地にこんな店が出来たの?!」

福太郎「いつの間にかかな」

悠「細かいことはいいじゃん」

勇義「酒のつまみになりそうなの適当に見繕ってくれるかい」

骨女『でも、うちはアルコールおいてませんよ?』

勇義「手持ちがあるから問題ない」

悠「おれも天ぷら適当に揚げちゃって」

骨女『は~い。オーダー天ぷら沢山』

抜け首「沢山ってなんやねん?!」

ラム「骨女に抜け首……」

福太郎「ろくろっ首と二口女と絡新婦さんもおるで」

ラム「妖怪の巣窟ね…」

二口女「ここは妖怪茶屋だからねぇ。」

勇義「私にとっちゃそれが普通だけどな。むしろ普段は妖怪しかいない」

悠「おれも人間みたいな怪物によく囲まれる」

福太郎「悠はどっち側?」

悠「おおおぉ、おれは人間だし!」

ラム「どれだけ焦ってるのよ…」
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