第捌夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

勇義「ぐおぉ……ぐおぉ……」

福太郎「……」

クロ「……」

勇義「ぐおぉ……ぐおぉ……」

すっきー『……』

メリー「すっごいいびき…」

福太郎「鬼って感じやな」

クロ「酒瓶担いでんのは萃香のときと同じだけどな」

お仙『起こス?』

福太郎「起こす前にやりたいことがある。」

お仙『わかっタ』

福太郎「え、分かったん?」

お仙『あの体操服みたいな服に名札付けるんだナ!』

福太郎「……それはそれで面白い」

クロ「いや、何いってんだお前ら」

メリー「っで、なにするの?」

福太郎「あの立派な一本角を……触ってみたい!」

クロ「起きてから頼め」

福太郎「起きて頼んだら断られそうやん」

クロ「だからって黙ってやるのもどうなんだよ……」

お仙『でも、これだけ熟睡してたらバレ無いヨ』
そぉっ…
勇義「ぐぉぉ……」
ガッシ!バキッ!ぶんっ!
お仙『あぁあぁァーー……』
ズダンっ!

福太郎「……」

クロ「……」

メリー「ご主人様、お仙ちゃん投げ飛ばされたよ…」

すっきー『っていうか、投げられる瞬間腕折れてましたっすよ』

クロ「しかも窓の外に落ちていったな」

福太郎「……やっぱり寝とる人にイタズラするんはアカンな」

クロ「……そうだな」

福太郎「お仙拾いに行って来るわ」

メリー「いってらっしゃーい……」

勇義「んんっ、んー、朝かぁ」

メリー「あ、起きた」

勇義「おぉ、アンタら早起きだな」

クロ「正確に言うとアンタのイビキがうるさくて起きたんだけどな」

勇義「あっはっは、そいつは悪かったね。おや、あの人間の男はどうしたんだい?」

クロ「ちょっと哀れなキョンシーの回収にいったよ」

勇義「うん?なんか良く分かんないけどいいや。それより、ちょっと寝起きで咽が……」

メリー「お水でも飲む?」

勇義「酒で頼む」

クロ「寝起き酒かよ!」

勇義「普通だろ」

すっきー『そういえば福太郎さんも寝起きに昨晩飲み残したビールとか飲むっすね』

勇義「あー、やるやる。とりあえず飲むよな」

クロ「いや、やらないんじゃないかな…」

福太郎「はぁはぁ、た、ただいま……」
ズルズル
お仙『足とかが折れター』

クロ「治るんだろうなソレ…」

福太郎「ラムさん呼ぶ必要があるっぽい」

勇義「一体なにがあったんだ?」

お仙『投げられター』

勇義「なにぃ!誰にだ!」

福太郎「……」
クロ「……」
メリー「……」
すっきー『……』

勇義「あれ、なんでみんな私をみてるんだい?」
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