ｰ福太郎の部屋ｰ

「ぐぅぐぅ」
「すぅすぅ」
『ぐー……』

ドスッ!
福太郎「ぐぇっ!」

クロ「なんだ?!」

メリー「ん～……なにぃ?」

お仙『ぐー……』

「んーぁ?なんだい?」
バシャッ!
福太郎「冷た!酒臭!」

「おーっとと、ごめんよう。ひっくりかえしちまったよ。っていうか、なんだい随分と暗いねぇ」

福太郎「ぐぇっ、ちょっ、踏んでる!踏んでるって!」

クロ「何なんだ。電気つけるぞ」
パッ!

鬼「おわっ、明るくなった」
ぺしぺし
福太郎「ちょ、どいて!踏んどる!踏んどるから!」

鬼「おや?あー、これは悪いね。よっと」
スタッ

福太郎「はぁはぁ、内臓的なもんが口から出るかと思った……」

クロ「内臓的なものってなんだよ」

福太郎「胃の内容物の可能性もあったってこと……」

クロ「ああそうかい……で、お前は誰だ?」

勇義「私かい?私は勇義、星熊勇義ってもんだよ。ここは……博麗神社じゃないようだけど」

福太郎「んーっ、そっちから来たひとな」

勇義「そっちから?」

福太郎「ええとまぁ……ちょっとクロ説明したけで。俺シャワー浴びて来るわ」

クロ「そういや……びしゃびしゃだな」

勇義「あー、それ私が持ってた酒がこぼれたんだ。悪いね兄さん。あっはっはっ」

福太郎「ええですよ……。ちょっと、そこにおるクロって人に説明聞いといて下さい」

勇義「あいよ」

福太郎「はぁ……ん?」

お仙『ぐー……』

福太郎「この騒ぎで寝っぱなしや…」


～青年シャワー中～


勇義「よっこいしょ。それでここはどこなんだい?」

クロ「ここは幻想郷の外の世界。アンタらでいうところの現界ってやつだ」

勇義「ああ!萃香が話してたねぇ。へぇ、ここがそうか。」

クロ「やっぱりあの小鬼の知り合いか」

勇義「むまぁ、腐れ縁てやつだね。」

メリー「わぁ、一本角」

勇義「ん?小人か?巫女のところにもいたな」

クロ「いや、小人じゃなくて人形だ」

勇義「ほほう。ん?でも現界には妖怪が居ないんだろ?」

クロ「居ないわけじゃない……が、多いわけでもない。人間として暮らしてる妖怪もいるけど」

勇義「なるほどねぇ、それでどうやったら帰れるんだい?」

メリー「明日の夜中までは帰れないよ」

勇義「へぇ」

クロ「……反応薄いな」

勇義「まぁ、こういう場合は焦っても仕方ないからね。ドシっと構えとくんだよ。あはははは!」

クロ「豪快だなぁ…」