第捌夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「ただいま」

お仙『おかえリー。ご飯にすル?お風呂にすル?それともあ・た・シ?』

福太郎「とりあえず座ってひと息つくかな」

クロ「何いってるんだお前は」

お仙『新妻風』

クロ「アホか」

福太郎「新妻って言葉にちょっとドキッとした」

メリー「ご主人様!」

福太郎「はい、おみやげのお団子」

クロ「毎日いってないか?」

福太郎「ちょっとお茶飲みにいくんにええ距離なんよな」

クロ「墓場だけどな」

福太郎「あと、夕方からなんよな。まぁ、散歩がてらいくっていうんやったら丁度ええんやけど」

お仙『でも、夕暮れ時に墓を徘徊してる男って見られたら通報ものだナ』

福太郎「……ほんまやな」

クロ「いや、気が付いてなかったのか」

福太郎「全然」

クロ「……」

福太郎「まぁ、熱心な墓参りのひとと思えば……」

メリー「廃寺のある集合墓地に?」

福太郎「……まぁ、うん。多分大丈夫」

クロ「これから暑くなってきたら完全なホラースポットだよな」

福太郎「んー、そういえばそのあたりのことは平気なんかな。」

クロ「妖怪かそこそこ能力持ったやつらしか見えないっていってたし平気だろ」

福太郎「んー、そういえば悠も恋ちゃんとか俺といっしょやないと店が分からんいうてたわ」

クロ「……あれも一応は普通の人間なんだな」

すっきー『えぇ、だって私ガスガス突かれるっスよ?!』

福太郎「勘だけで探りだっしょるいうとったし」

すっきー『それが出来るんならお店を見つけるくらい簡単だと思うんスけど…』

福太郎「感覚の違いちゃうかな」

メリー「感覚?」

福太郎「あやかし屋っていう店の気配は掴めとるけど、そこに入るっていうことはできん的な。」

クロ「つまりすっきーでいうなら本人は触ってる感覚はないがすっきーには着実にHitしてる……と?」

福太郎「そうそう」

すっきー『私を例えにされると複雑なんですけど…』

福太郎「でも、実際そうやし。」

クロ「でも、すっきー、よかっただろ」

すっきー『なにがっすか?』

クロ「もしお前を視認できてしかも感触も実感できてたら今頃……」

福太郎「セクハラされっぱなしやろね。」

すっきー『セクハラされっぱなし?!』

お仙『嫌よ嫌よも好きのうチ』

すっきー『ならねーっす!』

福太郎「でも、すっきーやからなぁ」

メリー「すっきーだもんね…」

クロ「あぁ、すっきーだしな」

すっきー『なんなんっすか!どーいう意味っすか!』

お仙『ドM』

すっきー『ドMじゃねーっすよ!!』
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