第捌夜『福太郎の不思議な日常』

ー集合墓地:あやかし屋ー

悠「なんか小腹すいてきた」

恋「食ったばかりじゃろ!?」

悠「いや、これはアレだ。デザート系の空腹」

骨女『デザートは別バラってやつでありんすね。』

恋「女子か!」

悠「その辺りの雑魚どもよりは女子力高いよ」

福太郎「んー、確かに」

恋「どこがじゃ!」

悠「おいおい、お裁縫からお料理まで一流だぞおれは」

恋「技量はあっても女子ではないじゃろ」

悠「男だからな。当たり前だろ何いってる」

恋「蹴るぞ!」

悠「なんか甘いのくださーい!」

抜け首「まだ食べるんかい!ええかげんにしとかな腹壊すで!」
ふよふよ

ろくろっ首「ゆーくん、太っちゃうよ~」
のびのび

悠「太るなら大歓迎だ」

福太郎「今体重いくつ?」

悠「恐らく90前後……あと10キロで夢の三ケタ!」

抜け首「なんでやねん」

恋「おま……そこまで重かったのか」

悠「当たり前だ。絶えず肉を溜めこんでる。」

福太郎「タッパあるし7、80キロくらいかとおもっとったけど90台いっとるんやな」

悠「こっからがおれの課題っか壁なんだよな。90から超えない」

恋「超えんでもええじゃろ……」

悠「おいおい、もしあと10キロ増やせれたら金剛相手にも正面から受け止められるかもしれないだろ。ハートキャッチだ!」

福太郎「最近はプリンセスになったらしいな」

悠「おれはプリティでキュアキュアが一番いいかな。マーブルサンダーで」

骨女『詳しいですね』

悠「おれは昔は日曜の朝はプリキュア派だったからな。」

福太郎「今は?」

悠「日曜朝なんか起きられないよ。むしろ寝始める時間だ」

抜け首「それはおかしいやろ。なんで日曜朝に寝始めるんや。」

悠「夜通しフィーバーした後だからに決まってる」

福太郎「若いなぁ」

ろくろっ首「福君も若いでしょ~」

福太郎「いやー、もうオールはキツイんよなぁ」

悠「頑張れ頑張れ!諦めんなよ!」

福太郎「炎の妖精さんはお帰り下さい」

抜け首「騒がしいやっちゃな」
ふよふよ

ろくろっ首「いつも元気いいよね~」
うねうね

悠「いや、お前らひとの周りをうにょうにょふよふよしてるのはいいけど甘いものは?」

抜け首「え?」

ろくろっ首「え~?」

悠「……」
こちょこちょ
抜け首「ひゃぁぁ!」
こちょこちょ
ろくろっ首「こそばしたらあかん~!」

恋「やめんかい!」

悠「おれは悪くない!」

恋「実行現行犯じゃろ!!」

福太郎「ズズッ、お茶のおかわりもらえる?」

骨女『厨房係がやられてしまったので私が入れることになるけどよろしいですか?』

福太郎「んっ、ええよ。ただふつーのお茶にしてな。骨入りとか無しで」

骨女『……わかってますよ』

福太郎「間があったなぁ…」
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